栃木県教育委員会が廃止の方針を打ち出している、県内2つの特別支援学校にある子どもたちが親元を離れて共同生活を送る寄宿舎について一部の保護者が存続を求めている問題で、県議会の委員会は9日、保護者らが提出した存続を求める陳情書を不採択としました。

県教育委員会は那須塩原市の那須特別支援学校と栃木市の栃木特別支援学校の寄宿舎を設置から40年以上経ったことによる施設の老朽化と遠距離で通学が難しい児童生徒の減少を理由に廃止する方針です。

当初、今年度末で廃止する方向で進められていましたが、一部の保護者らから反対の声があがり、県教育委員会は説明が不十分だったとして廃止の延期を決めています。

保護者らは存続を求める陳情書を県議会に提出していて9日に開かれた文教警察委員会の中でこれに関する審査が行われました。

審査は、個人情報保護の観点から非公開で行われ、終了後に石坂太委員長が報道陣の取材に応じました。

委員会では、県教育委員会から今後の特別支援教育のあり方について明確なビジョンが示されておらず、保護者らへの説明も不十分であるため存続や廃止を含めて結論を出せる段階にないとして「不採択」としました。決を採った際の内訳は、採択が1、不採択が4、継続審査が1でした。

陳情書が不採択となったことを受けて、那須特別支援学校寄宿舎の存続を求める会の中心メンバーの女性は、「不採択は残念。継続審査にしてもらい、県教育委員会や県議会、存続を求める保護者らが参加する説明の場を設けてもらいたい」と話しています。