古くは織物の街として栄え、近年では工業が盛んな足利市で、昔ながらの鍛冶の技を披露する儀式が8日、新型コロナウイルスの影響で3年ぶりに行われました。

鉄工の神様「金山彦命」が祭られている福富新町の金山神社です。ここでは地域の鉄工業団体などが関係者の安全や繁栄を願って、年に一度「ある儀式」を行っています。それは「鍛錬式」。炉に風を送る木製の道具「ふいご」を使った、昔ながらの鍛冶の技法を披露するものです。

関係者や地元の小学生などが見守る中、白装束に身を包んだ組合の代表者たちが炉で熱せられた鉄の棒を大きなハンマーでリズムよく打っていくと、約30分で直径7センチほどの鉄の輪が完成しました。

一回の儀式で作る鉄の輪は一つで、今回で47個目。先代たちが作ってきた鉄の輪につなげて末永い繁栄を願います。会場では見学した小学生たちが鉄を鍛える体験をして、身近な製品を作る技術に親しみました。