300年前にスケッチされた昆虫の絵を現代に蘇らせた企画展が、栃木県・那須塩原市の図書館で開かれています。

今にも飛び出してきそうな躍動感あふれる昆虫の絵画が並んでいます。那須塩原市の図書館「みるる」の1階ギャラリーでは、昆虫や植物の様子が細かく描かれた絵画の中に昆虫の標本が添えられた「立体昆虫図譜展」が開かれています。

この図譜の起源はドイツ人の画家で自然科学者のマリア・ジビーラ・メーリアンが、南米のスリナムに滞在した2年間に現地の植物や昆虫を精密に描いたスケッチで、それをまとめた作品が1705年に出版されました。

1726年に出版された第3版の原本を手に入れた宇都宮市の白石雄治さんが、美術作品としても当時の研究としても価値ある成果を残したメーリアンのことを多くの人に知ってもらおうと日本語の翻訳などを協力者とともに進め、今年7月に復刻版として完成させました。

企画展はこの復刻版の完成を記念したもので、会場にはその図譜を基にした昆虫標本と複製画、合わせて23点が展示されています。

1枚の絵の中に昆虫が成体になるまでの変態の様子が描かれているのも特徴で、標本と合わせて臨場感あふれる自然界の様子が見られます。