仲宗根澄香は好位置で残り18ホールへ(撮影:福田文平)

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<JLPGA ファイナルQT 3日目◇1日◇JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部(岡山県)◇6442ヤード・パー72>
今季、メルセデス・ランキング80位でシードを喪失した仲宗根澄香が、来季のレギュラーツアー前半戦フル出場権に大きく近づくトータル9アンダー・2位タイで3日目を終えた。“感覚”よりも“自分の目”を信じるゴルフが奏功している。
この日の初バーディは5番パー4。残り143ヤードの2打目を8番アイアンでピン右手前10メートルにつけると、続くパットが決まる。さらに立て続けに6番でも10メートルをねじ込むと、1つ落として迎えた13番でまたしても10メートルを沈めるバーディを奪った。
ロングパット3連発もあり、3つ伸ばしてのホールアウト。神がかり的とも言えるが、仲宗根曰くここのグリーンは「読みにくい」という。それでも味方につけた理由が、“目を信じる”ことだった。
今季の平均パット数はパーオンホールが72位(1.8401)、1ラウンドあたりが82位(30.1915)。苦しいシーズンを過ごすなかで、他の選手のプレーも参考にしてきた。「何かきっかけを、と思って、パターがうまい人を見ると、みんな傾斜を感じながら(グリーンを)読んでいるように思えました」。ただ実践しようとすると、どうもしっくりとこない。このことで「自分の目で見たほうが読める」ということを再確認したという。
そこでQTでは、とにかく自分の目で読んだラインを信じることに。すると「頑張って打たないと届かないシチュエーションが多いなか、4〜5メートルや7〜8メートルがバーディにつながっている。そのいい流れが引き続いてくれました」と、パターがスコアメイクの肝になった。
結果を出すことを焦り、試合中でも自分のあら探しばかりしてきた2022年シーズン。さらに「若い選手は勢いがあってうらやましいなとか、いろんな気持ちが空回りした」と、なかなか平静を保てなかった。「うまくなりたい」という意識が、また焦りにつながる悪循環。そんななかで「(藤田)さいきさんの優勝は大きかった」と話す。「キンクミさん(金田久美子)もですが、11年間も諦めなかった姿を間近で見ることができた。来年優勝すればいいんだと、腹をくくれました」。これでQTに出場することをしっかりと受け止めることができ、準備にも集中できるようになった。
上位35位前後までと見込まれる来季前半戦のフル出場権はもう目前。それでも「いろんな欲があって、ドキドキしています」と、余裕を感じることはできない。「今年は納得できるプレーが思い浮かばない。あしたはいいプレーをしてすっきり終わりたいですね」。来年につながる結果、そしてゴルフをして、巻き返しへの準備期間となるオフを迎えたい。(文・間宮輝憲)
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