田辺ひかりは思い出の地で飛躍なるか(撮影:福田文平)

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<JLPGA ファイナルQT 3日目◇1日◇JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部(岡山県)◇6442ヤード・パー72>
2020、21年が統合された昨季、賞金ランク42位に入り初のシードを手にした田辺ひかり。しかし33試合に出場した今季は、途中11試合連続を挟む計22度の予選落ち(棄権2試合)を喫し、メルセデス・ランキング96位に沈む苦しい1年になった。
それでも、2季ぶりに臨むQTファイナルでは、3日目を終えトータル6アンダー・8位タイ。“思い出深い”コースで、来季のレギュラーツアー復帰に向け順調に進んでいる。今回の会場となるJFE瀬戸内海GCは、20年の「日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯」で使用された時に2位タイとなり、初シードへ大きく前進した場所。「車で30〜40分」の位置にある広島県福山市の実家から通える“準地元”で、「よく知っているコース」というのも大きなアドバンテージだ。
それに加え、もう1つ心強いことがある。今週、田辺のキャディを務める関藤侑嗣は小学生の頃からの幼なじみ。さらに広島国際学院高の2学年後輩で、プロゴルファーの肩書も持つ。「プロ目線でミスを想定したマネジメントもしてくれる」という心強い相棒だ。「キャディさん任せで、言われたことだけに集中できる。私は何も考えず打つだけ」。プレーだけに集中する環境が整っている。
とはいえ、寒さも厳しさを増したこともあり、まだ暑さが残る9月開催の選手権とは印象も変わる。総距離は選手権が6640ヤードだったのに対し、今回は6442ヤードと短くなっているが、「コースの見え方も違うし、アゲンストで飛ばないホールもあって距離が残る」と番手選びひとつ取っても違いが出てくる。それを考えても、すぐに相談できる相棒がいるのは大きい。
自身にとってのシーズン最終戦となった「大王製紙エリエールレディス」から、持ち球をフェードに変えて、立て直しをはかっていく。「きょうは4アンダーを目標にして達成できた。あしたもアンダーパーで回れるように」。再びこの“ホームコース”を飛躍の場所にしたい。(文・間宮輝憲)
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