11年ぶりVの金田久美子も少ないチャンスをものにしシード返り咲きを果たした(撮影:米山聡明)

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<JLPGA ファイナルQT 3日目◇1日◇JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部(岡山県)◇6442ヤード・パー72>
シードから漏れた選手たちが、来季のツアー出場権を争うQTも、いよいよ第3ラウンドに入った。ここで上位35位以内に入ると、来季のレギュラーツアー前半戦にフル出場できることが見込まれる。今回参加する96人の選手は、この“ボーダーライン突破”を目指していくが、QTは不発だったものの、翌年のツアーで大活躍する選手も毎年現れる。今季は誰がそれに該当した?
■金田久美子
今季、史上最長ブランクVを達成した金田だが、昨年、葛城GC宇刈Cで行われたQTファイナルステージはトータル12オーバーと苦戦。QTランク87位で開幕を迎えた。
当初は、下部のステップ・アップ・ツアーにも出場しながら、6月の「アース・モンダミンカップ」7位タイなど、レギュラーでもポイントをコツコツと加算。第1回リランキングの時には18位まで優先出場順位を上げた。これで中盤戦の出場権をガッチリとつかみ、第2回リランキングも25位で突破。
そして渋野日向子参戦で沸いた10月の「樋口久子 三菱電機レディス」での、11年189日ぶりの優勝につなげた。そこで涙を流したシーンは大きな感動を呼ぶ、今季の名場面のひとつに。最終的にメルセデス・ランキング(以下MR)も46位で終え、来季は2017年以来となるシード選手としてシーズンを戦っていく。
■尾関彩美悠(おぜき・あみゆ)
2021年の「日本女子アマ」を制し、同年11月のプロテストではトップ合格。その年のQTでも注目選手の一人だった。
3日目を終えて17位タイ。このままレギュラーツアーへひた走るものと思われたが、最終日にまさかの「79」を叩くことに。結果的にQTランク58位と、一気に試合数が制限される立場になった。
ルーキーイヤーの春先は、やはりステップにも出場しながら、推薦も駆使してレギュラーにエントリーしていた。スタートから5戦中4試合で予選落ちするなど苦しみもしたが、「リゾートトラスト レディス」5位タイ、「宮里藍 サントリーレディス」8位タイなど徐々にフィット。第1回リランキングでは28位と優先出場順位を大きく上げた。そして9月の「住友生命Vitalityレディス 東海クラシック」でツアー初優勝。MR42位で、初のシード獲得にもつなげた。
■岩井千怜(いわい・ちさと)
アマチュア時代から“岩井ツインズ”として注目を浴びた姉妹の妹も、昨年のQTは思うような結果を残せず、レギュラーとステップ両にらみのなか開幕を迎えた。
21年6月のプロテストで双子そろって合格すると、同年9月にはステップの「カストロールレディース」でプロ初優勝もつかみ、前評判通りの活躍を見せたといえる。しかし、年末のQTはふるわず。出場96人中90位という結果に終わっていた。
それでもクラブ契約を結ぶヨネックスのお膝元・新潟で行われた6月の「リシャール・ミル ヨネックスレディス」で2位タイと活躍。これで第1回リランキング突破を大きく手繰り寄せた。そして8月の「NEC軽井沢72ゴルフ」でレギュラー初優勝を挙げると、勢いそのままに翌週の「CAT Ladies」では2週連続V。大ブレークの1年にした。
■岩井明愛(いわい・あきえ)
妹の千怜と同様、姉も昨年のQTでは唇をかんだ。2日目に「78」を叩くなど、トータル8オーバーと苦戦。QTランク70位で、翌年の開幕後にはステップ3試合にも出場した。
しかし、こちらも5月の「パナソニックオープンレディース」7位タイなど、出場したレギュラーの試合で着実に結果を残し、第1回リランキングまでに、ランクは30位まで上昇。そこからはレギュラーツアーを主戦場にし、10月の「富士通レディース」では古江彩佳と優勝争いを繰り広げ2位フィニッシュもあった。最終的なMRは40位。史上初の姉妹で同一年シード獲得を成し遂げた。
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