コロナによる閉塞感が漂う中、栃木県内では去年、自ら命を絶った人の数が4年ぶりに増加に転じましたが、宇都宮市では23日、自殺の予防に向けた公開講座が開かれました。

講座は、一人で悩み、ふさぎこんでいる人からの相談を受け付ける社会福祉団体の「栃木いのちの電話」が自殺を防ぐことを目的に開いたもので電話相談員や一般の参加者およそ120人が参加しました。

講座は医師で「日本自殺予防学会」理事長の張賢徳さんが講師を務め「死にたい気持ちにどうむきあえばいいのか」という「希死念慮のケア」をテーマに講演しました。

県内で去年自殺した人の数は370人で4年ぶりに増加しました。

コロナ禍による経済状況の悪化が影響したとみられていて特に30代の女性や40代・50代の男性での増加が目立っています。

張さんはリストラや倒産といった経済的な問題や、家族とのトラブルなどを抱えているとき、周囲の支えがないとうつの状態になり自殺に向かう傾向があると話しました。

その上で、身近な人に死にたいと打ち明けられたら耳を傾けて一緒に考えてあげることが大切だと述べました。