7季ぶりのQTも…柏原明日架は前向きにプレー(撮影:福田文平)

写真拡大

<JLPGA ファイナルQT 2日目◇30日◇JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部(岡山県)◇6442ヤード・パー72>
プロに転向した2014年以来のQT出場となった柏原明日架。今季はメルセデス・ランキング79位に終わり、ツアー本格参戦の15年から初めてのシード喪失を経験した。それでも復帰に向け、“逆風にも負けず”着々と歩みを進めている。
この日のコース付近は、最大瞬間風速10〜12メートルという暴風が襲う一日に。「午後からはさらに強くなる」と踏んで、まだ嵐になる前の前半勝負に出た。その思惑通り、インコースから出るとスタートホールで7メートルのバーディパットを沈める。13番でも6メートルを決めて伸ばすなど、9ホールで5つのバーディを奪った。
やはりというべきか、後半は「想像を超える強風」。5番をボギーとした後の6番パー5では、2打目、3打目が「40メートルくらい流された」と、もろにその影響を受けることに。ここで連続ボギーを喫したが、7、8、9番では「勇気を持って、風に対して球筋をチェンジできた。危なげなくパーも拾えて、残り2日間、風が吹いても大丈夫だと思えた」と自信を深めることもできた。
15年に初シードを獲得し、今季までその座をキープしてきた。19年には2勝も挙げたが、2年間が統合された20-21年シーズンは、調子が上がらず。自身最終戦となった「大王製紙エリエールレディス」で2位タイになり、滑り込みでシードを死守するギリギリのシーズンだった。そしてそれが「早くシードを確定させたいと、やる気が空回りした。反省点として感じている」という今季の焦りにつながったとも振り返る。「最後まで優勝を狙ってました」と7季連続シードも諦めなかったが、ひさしぶりのQTを戦うことになってしまった。
そのなかで、ルーキーの時とは違う感情も覚えている。「(1年目は)QTの雰囲気も分からず、通らないとと思っていたけど、そこから優勝したりいろいろな経験もした。ここに来たことを恥じないように。現状を受け入れて、今後のプラスになると言い聞かせて練習してきました」。選手たちが異様と話す雰囲気のなか、前向きにプレーを続ける。
残り2日間は、風もそうだが、さらなる冷え込みも予想される。トータル4アンダー・11位タイで迎える3日目。「きょうの前半のようなプレーができれば気持ちも楽になる。強風で球筋を変えたり、距離のジャッジも必要。きょうの経験を残り2日間に生かしたい」。自らを「中堅」と呼ぶ26歳。ツアーをけん引する存在として、ここでの経験をプラスに来季もレギュラーツアーで戦いきりたい。(文・間宮輝憲)
<ゴルフ情報ALBA.Net>