年末の寒い時期に毎年行われるQT…そもそもどんな制度?(撮影:福田文平)

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<JLPGA ファイナルQT 2日目◇30日◇JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部(岡山県)◇6442ヤード・パー72>
来季のシード権を持たない選手が、出場権を争うファイナルQTが29日から行われている。期間は12月2日までの4日間で、第1ステージ突破者や、昨季のシード選手ら96人が参加中。その動向に注目が集まるが、そもそも選手生活に大きな影響を及ぼすこの『QT』という制度って何?
■プロトーナメントの出場選手はどうやって決まってる?
クォリファイングトーナメント(Qualifying Tournament)の頭文字を取りQTと呼ばれるこの制度は、いわゆる『予選会』を意味する。国内女子ツアーでは2002年から、この名称で行われ、毎年寒さも厳しくなる年末に選手たちが翌年の“優先出場権”を争ってきた。ここでよりいい順位になることが、来季に大きな影響を及ぼすのだが、それはなぜか?
今季からレギュラーツアーは賞金ランキングに替わり、メルセデス・ランキング(以下MR)で50位以内に入るとシード選手として来年1年間のフル出場権が確定することになった。同じく51〜55位までの選手には、“準シード”のような形で来年の第1回リランキング(前半戦)までの出場権を付与。そしてQTには、そこに入れなかった選手が参加する。
国内女子ゴルフのプロトーナメントは、大会によって96〜144人の出場枠が設けられている。そのうち、シード選手の分は、「日本女子オープン」など一部の試合を除き、枠が確保されている(永久、複数年シードも同様)。MR55位までの選手についても、前半戦に関してはシード選手同様となる。これにプラスして、大会ごとに主催者推薦枠があり、さらに残った枠をQTランクの上位から選手に割り当てていくイメージだ。
■QTランク上位が重要になる理由
そして今回の最終順位に応じて、1位通過者にはQT1位、2位にはQT2位というように『QTランキング』が与えられる。4日間72ホールのストローク方式で、同じスコアで並んだ場合は(1)最終Rのスコア、(2)第3Rのスコア、(3)第2Rのスコア、(4)最終Rの18ホールからのカウントバック――の順番でランクが決定する。“●位タイ”という概念はなく、すべての選手にランクがつけられる。
出場枠は初戦の「ダイキンオーキッドレディス」など108人のものや、「アース・モンダミンカップ」の144人など大会によって、まちまち。そうなると当然“空き枠”の数も変わってくるため、QTでなるべく上位にいることが重要になってくる。QTランキング1位の選手は1番最初の枠に入ることができるというシステムだからだ。
今回エントリーしている選手は、最低でもQTランク96位が確定。棄権した場合でも、ファイナルを終えた選手の後ろにランクづけされる。ここで35位以内に入れば、来季前半戦にはほぼフル出場できる見込みで、それ以下でも、例年、下部のステップ・アップ・ツアーは96位以内であれば全試合に出場できた。つまり今回の96人は、来季“職場を失う”という事態は免れる。
ちなみにファーストステージで敗退した選手にもQTランクは割り当てられており、今回のファイナルステージまで進めなくても、順位に応じ出場権はおりてくる。ただ170位以下になるとステップ出場もままならない…そんな状況が見込まれている。
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