男子100kg超級 影浦心「強くなれるならやるしかない」新しい柔道スタイルへの挑戦【柔道 グランドスラム東京】

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2020年2月グランドスラム・パリで当時、男子100kg超級で10年間無敗、五輪2連覇・世界選手権8連覇という絶対王者リネール(フランス)を撃破した影浦心(日本中央競馬会=26)。

2021年の世界選手権で初の世界王者に輝くも、同年12月の全日本選手権では1つ下の階級の選手に敗れてしまう。勝ち上がれない自分、この敗戦を経て影浦は「新しい柔道スタイル」の挑戦を決断する。

2年後に目指すのは 絶対王者を撃破した地「パリ」。2024年パリオリンピックへとつながる柔道・グランドスラム東京2022(12月3・4日)に向けて意気込みを語った。

ー現在の調子は?

大会に向けてどんどん細かいことを積み重ねて積み上げているという状況で、体の調子は普通にいつもと変わらず良い状態ではあります。

ー自分の柔道の強みは?

自分の柔道の強みは他にはないスピード、それと担ぎ技ができる、相手の技を受け切れるところが強みかなと思っています。

ー身長179cmと最重量級の中では小柄であることについて

この小さいってことも自分の武器だと思っていますし、大きい相手に勝つ魅力も見せられるのかなと思っています。

ー今取り組んでいる新しい柔道スタイルについて

「相手にプレッシャーを与えて組み手で圧力をかける」ということを新しいスタイルにして 今挑戦しています。

今までは相手に合わせながら後手に回りながら、相手の隙を見て柔道を展開していたんですが、新しいスタイルというのは自分から先にプレッシャーをかけて、自分のペースに持っていくことを意識しています。

ー新スタイル「自分から攻める柔道」挑戦の経緯は?

世界選手権(2021年6月)は優勝できたんですが、全日本選手権(2021年12月)で勝ち上がれない自分がいて、その理由を考えたらその部分(相手に合わせる柔道スタイル)でした。そこを変えて、新しい自分を作ろうと思ってチャレンジしています。

ー新スタイルの手応えは?

アドバイスを頂いてから練習の中ではやっていて手応えも感じましたし、今年の全日本選手権も決勝まで上がれて弱点だったところがなくなってきたかなと思っています。

※2022年8月のアジア選手権では、新スタイルで優勝を果たす。



ースタイルを変えることへの怖さはあった?

そこの怖さは全くなくてですね。「強くなれるならやるしかない」という気持ちだけです。

ー2020年グランドスラムパリでリネール選手を撃破したことについて

皆さんが思うように絶対王者という存在ですし、東京オリンピックでは負けたんですが、やっぱり一番強いのはリネール選手だと思っています。

勝った時はほっとしたし、ずっと目標にしていた選手なので良かったなっていう気持ちが大きかったですね。

※対戦当時 リネール選手(フランス)の戦績
五輪2連覇・世界選手権8連覇、10年間無敗で154連勝中。

ーリネール選手を撃破したパリ、そして2年後に目指すのもパリ。「パリ」はどんな場所?

自分の人生を変える場所だと思っています。リネール選手に勝ったことですごく大きなアピールにもなったし、自分の人生を変えられる場所なのかなと思っています。

ー12月の柔道グランドスラム東京に向けて

パリ五輪に向けて、絶対に落とせない大会だと思っています。

最初から気の抜けない戦いがあるのでタフな大会になると思うんですが、気を抜かずに目の前の相手だけに集中して優勝を目指して頑張ります。