ゲームが高画質化・大容量化するのに伴って処理のボトルネックとなっていたIO関連に対策を行い、読み込み時間の高速化を行うMicrosoftの技術「DirectStorage」で、新たにGPUによるデータ解凍を盛り込んだ「DirectStorage 1.1」が利用可能になったことがDirectX開発者ブログで発表されました。

DirectStorage 1.1 Now Available - DirectX Developer Blog

https://devblogs.microsoft.com/directx/directstorage-1-1-now-available/



Microsoft’s DirectStorage 1.1 arrives to boost PC game load times with GPU decompression - The Verge

https://www.theverge.com/2022/11/9/23449382/microsoft-directstorage-1-1-gpu-decompression-load-times-drivers-official

ゲームにはキャラクターデータ、背景データなどいろいろなものが詰め込まれていて、その容量は数百GB単位にも上ります。このためデータは圧縮されていて、ゲームプレイ時にストレージからメモリに転送され、CPUによるデータ解凍が行われたあと、最終的にGPUのVRAMに転送されて必要に応じて利用されています。この転送速度と解凍時間がゲームの読み込み時間に影響を及ぼすことになります。

「DirectStorage」は読み込み時間短縮を目指した技術で、まずDirectStorage 1.0ではNVMeドライブの帯域幅をより広く活用できるようになり、NVMeドライブにインストールされたDirectStorage対応ゲームなら読み込み時間が最大40%短縮されました。

「DirectStorage 1.1」はさらに高速化を目指して、データの解凍をCPUではなくGPUが行うようになります。グラフィックスカードは反復可能なタスクを並行して実行する際に非常に効率的にできていて、高速NVMeドライブの広帯域と組み合わせることで、読み込み時間はさらに高速化します。

これまでデータの圧縮形式はCPUでの処理に最適化されてきましたが、DirectStorage 1.1ではGPUでの高スループット解凍に最適化されたNVIDIAの「GDeflate」を採用。CPUがデータ解凍処理から解放されて、他のゲームプロセスを担当できるようになるため、シーンの読み込みが3倍高速化するとのことです。