「緑のANA機」2号機、異色の全貌ついに明らかに! 初号機とどう違う? 本気の特別機は細部も違う!
初号機と比べて、遭遇頻度や搭乗機会がグ〜ンと増えそう!
787-9「JA874A」が担当
ANA(全日空)から「ANA Green Jet(ANAグリーンジェット)」と名付けられた新たな特別塗装機の2号機(機番:JA874A)がデビューします。それに先駆け2022年11月9日、台北・桃園空港内の格納庫で、実機が公開されました。
「ANAグリーンジェット」は通常2色のブルーが入った尾翼デザインをトレードマークとするANA機のなかで、2色の緑の尾翼をまとう異色のデザインが特徴。2022年10月には、初号機(機番:JA871A)が路線に就航しています。今回の2号機は、初号機とどういった違いがあるのでしょうか。
公開された「ANAグリーンジェット」の2号機(2022年11月9日、乗りものニュース編集部撮影)。
「ANAグリーンジェット」は、ANAグループが持続可能な社会の実現と企業価値向上を目指し立ち上げたプロジェクト「ANA Future Promise」の取り組みをアピールするもの。同機は、特徴的な緑の尾翼だけではなく、胴体にANAのコーポレートカラーである青、左側には葉をモチーフとしたライン、右側に水をモチーフとしたラインが描かれており、左右非対称のデザインが特徴です。
担当機である「JA874A」は国内線仕様のボーイング787-8。240席(プレミアムクラス42席、普通席198席)を配し、おもに国内線を担当する機体(過去には国際線仕様としても使用された「78M」)で、10月10日に台北・桃園空港へ。そこで機体自体の整備をしたのち、24日から11月3日までの期間で塗装の塗り替え作業をし、この日を迎えました。
なお、「ANAグリーンジェット」初号機「JA871A」は、2号機より胴体の長い姉妹機787-9で、長距離国際線仕様機となっていることから、2機は、機体の型式、客席仕様や担当路線などが異なります。
細かい部分も色々違う!「ANAグリーンジェット」2号機
その緑の塗装が目を引く「ANAグリーンジェット」ですが、機体や機内の各所に、持続可能な社会の実現に向けたさまざまな試みが施されています。
外装には、CO2排出量削減に向けた取り組みの第一弾とし「サメ肌効果」が期待される“リブレット技術”を用いた縦35cm×横45cmのフィルムを、数か所に貼り付けて、その効果を検証。このフィルムは、機体の空気抵抗を低減できる効果が期待されているとのことで、仮にANAの全機材にリブレットシートを貼った場合、年間約30万tのCO2排出量の削減を期待できるといいます。この取り組みは、国内の航空会社では初としています。
今回は機内の公開はありませんでしたが、同機の搭乗・降機時のBGMには、自然を想像できる特別なものを採用。機内の照明も、緑系統のオリジナルカラーのものを採用しているほか、CA(客室乗務員)が着用するエプロンも、特別仕様のものが用意。座席のヘッドレストカバーには、世界の航空会社に先がけ「ヴィーガンレザー(植物由来の成分を使用した人工皮革)」を使用したものを導入しているそうです。
公開された「ANAグリーンジェット」の2号機のリブレットフィルム部分(2022年11月9日、乗りものニュース編集部撮影)。
今回披露された「ANAグリーンジェット」2号機は、9日19時頃に羽田空港へフェリーフライト(回送運航)へ到着し、その後14日に定期便デビュー予定です。ANAによると、現在のところ定期便初便は14日のNH253便(羽田12時30分発→福岡14時30分)となっているとのことです。
ANAではこの2機を国内・国際の両路線で、中長期的にこの塗装まとった状態で運用するとのこと。ANAではこの特別機就航を皮切りに、機内サービスや運航オペレーションの面で、さまざまなサステナブルな取り組みを進めていくとしており、すでに一部便では、機内サービスの紙コップなどが「ANA Future Promise」仕様のものに切り換わっています。