首都高のパトロールカー 1日どれくらい走ってる? 車種は「ランクル」一択 納得のワケ
首都高速道路が学生向けの「点検・補修デモ」を3年ぶりに開催。おなじみの高速道路パトロールカーも紹介されました。首都高でパトロールカーは、トヨタ「ランドクルーザー」一択だそう。その現状を聞きました。
首都高パトロールカーのかなり過酷な使用環境
首都高速道路が2022年10月28日、「首都高点検・補修デモ2022」を開催しました。大学生へ最新の点検・補修技術や道路の安全を守る取り組みを紹介するもので、コロナ禍を経て3年ぶりの実施に。様々な技術のデモだけでなく、業務用の特殊車両や、パトロールカーなども勢ぞろいしました。
首都高の200型ランドクルーザーパトロールカー(中島洋平撮影)。
グループ会社の首都高パトロールは、おなじみの黄色いトヨタ「ランドクルーザー」パトロールカーを紹介。屋根上の電光標識を起立させて後続車へ注意喚起するデモを行ったほか、交通規制などのために積載している資機材も紹介しました。
この屋根上の標識は重さ180kgあるそう。荷台にぎっしり詰められた資機材は70品目にも及び、この時点でも相当な重量です。
「排気量は4600ccで、積雪時の走行や車両の牽引も想定しているためパワーを重視しています。この性能と、とにかく壊れないこと。現行ではランクル以外に選択肢がないのでは」と首都高パトロールの担当者は説明します。
加えて、「パトロールは1回約100km、これを(複数台で)1日24回行うので2400km走ります。パトロールカーが走っていない時間帯がないことを原則にしています」とのこと。パワーだけでなく、耐久性も重要であることが伺えます。
他の道路会社のパトロールカーは、ランクル以外のSUVやミニバン型なども見られ、首都高も以前は三菱「パジェロ」も導入していたといいます。しかしパジェロは生産終了となったこともあり、首都高では現在、“ランクル一択”なのだとか。
ランクルは2021年に新型の300型へフルモデルチェンジし、首都高のパトロールカーとしても「ようやく1台入った」といいます。しかし、300型ランクルは昨今の事情と世界的な人気もあり、一時は納期4年以上といわれ、2022年10月現在は受注そのものを中止している状況です。
パトロールカーは相当な距離を走ることもあり、「適切に入れ替えていかないと」といいますが、思うように更新ができない実情も伺えました。