かつての賑わいを取り戻す日も意外と近い…?

年度終わりには国際線は6割まで回復

 JAL(日本航空)が、2022年7月から9月までの連結業績を発表しました。「第2四半期」とよばれる7月〜9月期の純損益は174億円の黒字。EBITは279億円の黒字となりました。四半期ベースでは、2019年度第3四半期以来の黒字となり「着実に業績は回復している」とのことです。


JALの旅客機(乗りものニュース編集部撮影)。

 JAL運航便を始めとするフルサービスキャリア事業における、国際旅客収入は1632億円(前年同期比460.3%増加)、国内旅客収入は2086億円(前年同期比132.5%増加)、貨物郵便収入は1262億円(前年同期比28.3%増加)を記録しています。

 国際線については、日本への入国制限者数の引き上げなどにより、日本発着旅客数は業務・観光需要ともに徐々に回復。10月からは、日本入国者数の上限の撤廃、観光目的の短期滞在ビザ取得免除などの更なる規制緩和が進み、インバウンドを含めた需要の本格的な回復が期待されるとのこと。一方で、国内線は夏場に感染拡大第7波の影響により需要回復のスピードが鈍化したものの、着実に回復。10月上旬からは政府の需要喚起策「全国旅行支援」が開始され、今後の力強い需要回復が期待されるとのことです。

 また、同グループの連結子会社である中長距離国際線LCC(格安航空会社)、「ZIPAIR」についても、「12月から就航するサンノゼ線の販売を9月から開始していますが、順調にご予約をいただいてお
り、国際旅客需要の回復と歩調を合わせ着実に実績を積み上げている」としています。

 新型コロナウイルス感染拡大による旅客需要低迷については、JALでは第4四半期に、国内線は95%まで、国際線は60%まで回復すると予測しています。2023年3月期の通期連結業績予想については、売上収益および営業費用予想を変更するものの、EBITの予想は変更せず800億円とし、親会社の所有者に帰属する当期利益の予想も変更せず450億円としています。

「当社グループを取り巻く状況は、地政学的リスクの高まり、円安の進行、燃油をはじめとする原材料費の上昇、新型コロナウイルスの感染再拡大といったリスクが存在し、決して楽観を許さない状況が続きます。一方で国際旅客需要の回復スピードの更なる加速、『全国旅行支援』などの需要喚起策を追い風にした国内旅客需要の力強い回復といったポジティブな要因もあり、加えてコストマネジメントを一段と強化していくことで上記業績予想の必達を目指してまいります」。JALは次のようにコメントしています。