Malwarebytesは9月13日(米国時間)、「Apple puts the password on life support with Passkey」において、9月13日(日本時間)にリリースされたiOS 16と来月にリリース予定のmacOS次期バージョンである「Ventura」において、「passkey」が利用可能になると伝えた。インターネットユーザーとサイバーセキュリティ業界はパスワードのない未来を望んでおり、Appleは「passkey」によりその望みを現実にしようとしているようだ。

Apple puts the password on life support with Passkey

具体的には、Appleユーザーは、iOS 16または「Ventura」を搭載するiPhone、iPad、Macなどにおいて、パスワードの代わりとなる「passkey」が使えるようになる。ただし「passkey」という言葉自体はMicrosoftおよびGoogleも利用しており、Appleだけのものではないことに注意が必要だという。

Appleのpasskeyは、パスワードを入れる入力ボックスに内蔵されているという点で、パスワードと同じような働きをする。また、ユーザーがアプリやWebサイトにアクセスするために作成するデジタルキーのような役割も果たすとされている。

passkeyが作成されるたびに、デバイスは公開キーと秘密キーのペアのデジタルキーを作成する。これらの鍵はアカウントごとに安全かつ一意に作成され、公開鍵はAppleのサーバに秘密鍵はデバイスに保存される仕組みになっているという。

Apple以外のデバイスを使用しているユーザーもこのpasskeyを活用することが可能だとされている。ただし、Apple以外のデバイスではpasskeyが保存されないため、やり方は若干異なるという。

例えば、WindowsでWebブラウザのアカウントにアクセスする場合、ユーザーは一度だけ利用可能な暗号鍵へのURLを含むQRコードとユーザー自身のiPhoneを使う必要がある。一度スキャンすれば、WindowsとデバイスはBluetooth経由でエンド・ツー・エンドの暗号化を使って通信し、情報を共有することができるという。

なお、Appleのpasskeyは先日行われたAppleのイベント「WWDC 2022」で使い方を紹介したデモビデオが公開されており、そちらが参考になる「参考(Meet passkeys - WWDC22 - Videos - Apple Developer)」。MalwarebytesのMac&Mobile担当ディレクターは、Appleのpasskeyについて、「100%完璧でないにしても貧弱なパスワードやパスワードマネージャーを使用していないユーザーに比べてセキュリティは良くなる」と伝えている。