桑田真澄投手チーフコーチ(左)と話す原辰徳監督 写真・時事通信

 8月23日、東京ドームで行われた巨人対中日の試合は、6‐0で巨人が勝利。連敗を6で止めた。

 最下位の中日と、ゲーム差1.5で迎えた3連戦。巨人が最下位に転落する可能性もあり「裏天王山」とも言われたが、なんとかこのカードでの最下位転落はまぬがれた。とはいえ、崖っぷちの状態であることに変わりはない。2リーグ制以降、巨人が5位以下になったのはわずかに3回。最下位は1975年の1回だけだ。

 4月を終えた時点では、20勝11敗で首位を独走していた巨人だが、5月以降は負け越しが続いている。

 低迷の理由は投手陣。防御率は、3、4月が3.11だったのが、5月3.71、6月4.99、7月5.19と、どんどん悪化。チーム防御率は3.94で、12球団中ダントツのワーストだ。打撃では、主砲の岡本和真が打率.240と不調。坂本勇人が故障で55試合の出場に留まっているなど、ここまでチームを引っ張ってきた主力に誤算が相次いだ。

 こうなると、批判の矛先は指揮官へと向かう。SNSには

原辰徳解任まだですか?》

《原さんもう限界だろ 頼むから辞任してくれ》

《去年も負けてまさかの続投で今年もこの戦い…作る、育てるも出来ないし毎度坂本、菅野頼みの原さんじゃもう戦えない。早く辞任会見して下さい》

といった書き込みが多数ある。

「巨人は選手層が厚いと言われていますが、それをうまく使えるかどうかは、組織次第。以前から選手の育成法に問題があるといわれつつ、補強に頼ってきましたが、それもいよいよ限界ということでしょう。

 監督含め、コーチ陣も一新し、組織全体を作り直す時期では。とくに、選手補強やコーチ人事などの“全権”を掌握している原監督だけに、その責任は重いといわざるをえません」(スポーツライター)

 巨人とは対照的に、絶好調なのがDeNAだ。独走していた首位ヤクルトに4.0ゲーム差まで詰め寄っている。快進撃の立役者といわれているのが、昨オフに巨人から移籍した石井琢朗野手総合コーチだ。

「石井さんは広島時代に鈴木誠也や丸佳浩を、ヤクルトでは村上宗隆、塩見泰隆らを育て上げています。個々の能力を引き出す指導力は高く評価され、DeNAでも選手から絶大な信頼を得ています。

 2020年から巨人の1軍野手総合コーチになりましたが、原監督とのソリが合わず、2021年10月に突如、3軍野手コーチに“降格”。その後、巨人を退団しています。コーチをうまく使うのも、監督の役目なんですがねえ」(前出・スポーツライター)

 ネットには《巨人とDeNAの差、石井琢朗さんの呪いとしか思えんな》との声まである。

 原監督は、2021年オフに巨人と3年契約を結んでおり、任期はあと2年。すでに16年もチームを率いている「全権監督」だが、もし47年ぶり最下位となれば、任期満了を待たずして……ということになるかもしれない。