地価の高い都市部では珍しくない、狭い敷地に建つ3階建ての家。限られた敷地を有効活用できる反面、毎日の階段の上り下りが負担に。3階建ての家に住んで10年になる整理収納アドバイザーの木村充子さんは、収納の工夫や「マイバッグ」の活用で、ストレスを減らせました。参考にしたいアイデアを紹介。

3階建ての家は、階段での移動が大変!

筆者は築25年、小さな敷地に建つ3階建ての家に住んでいます。

玄関を開けると1階に浴室、洗面所、トイレと夫の部屋、2階にリビング、トイレと筆者の部屋兼客間、3階に2人の娘たちの部屋という間取りです。

 

日当たりのよい2階にあるリビングは見晴らしも風通しもよく、人目も気になりません。

リビングの窓回りには、遮熱効果のあるウェーブロンレース生地のシングルシェードのみ。日差しが強すぎるときはシェードを降ろしますが、それ以外は上げて開放感を楽しんでいます。

その反面、生活の中心が2階なので、なにをするにも階段の上り下りがついてまわります。そこで、上り下りを減らすために収納や暮らし方で3つ工夫をしています。

 

1.出かける前の仕上げは玄関でする

筆者宅は3階に大きめのクローゼットがあり、2人の娘と筆者の洋服を収納しています。出かけるときはクローゼットで着替えをしてから、玄関に下ります。玄関に下りてから忘れ物に気づいても、3階まで駆け上るのは容易ではありません。

 

そこで、アクセサリー類やストールなどの小物は玄関に収納し、出かける前の仕上げを玄関でするのが習慣です。

 

マスクやハンカチも玄関に収納しておくと、忘れ物が防げます。

 

2.1階で使うものは、1階に干して、しまう

洗濯物は、おもに2階のリビングに面したベランダで干します。大量の洗濯物を持っての階段の上り下りはひと苦労。そこで、1階の浴室で使う下着類やバスタオルは洗面所に収納し、洗濯後も1階に干しています。

 

バスタオル、下着、靴下類は洗濯機脇のケースに収納しています。

バスタオルはスモールバスサイズのものを愛用。狭い洗面所でも収納スペースをとりません。

 

下着や靴下を干す場所は、洗濯機のすぐ上。天井に「ホスクリーン」を取りつけ、ピンチハンガーをかけてあります。洗う、干す、たたむ、しまう、が洗面所の中で完結します。

 

バスタオルは折りたたみ式のタオル干しで、玄関脇のガレージに干しています。

1階で使うものは1階に収納し干すことで、2階のベランダに持っていく洗濯物の量が減り、洗濯がとてもラクになりました。

3.家の中でもマイバッグ&マイボトルを持ち歩く

上下の移動が多い家で便利なのがマイバッグです。

たとえば、暑い時期は帰宅してすぐシャワーを浴びたいところですが、3階のクローゼットまで着替えを取りに行くのが大変でした。

 

そこでマイバッグに着替えを入れ、出かけるときには洗面所脇のフックにかけて出るようにしました。これなら、帰宅してすぐに着替えを取りに3階まで往復しなくてもすみます。

 

娘たちがリビングで過ごすときも、マイバッグは必須。それぞれの部屋から必要なものをマイバッグに入れて移動しています。行き来がスムーズになるだけではなく、リビングに私物を置きっぱなしにしないというメリットも。

 

マイボトルもわが家の必須アイテム。のどがかわくたびにキッチンと自分の部屋を往復しないですむので、家族それぞれが好きな飲み物を入れて、家の中でも持ち歩いています。

収納や暮らし方にちょっとした工夫をすることで、3階建てのデメリットにとらわれず、日当たりや開放感といったメリットを、存分に楽しんで暮らすことができるようになりました。家の悩みは暮らし方を見直すと、解決の糸口が見つかると思っています。