2022年7月14日付けで、任天堂がCGアニメスタジオのダイナモピクチャーズを買収したことが明らかになりました。買収完了後、ダイナモピクチャーズは社名を「ニンテンドーピクチャーズ」に変更する予定とのことです。

[2022/07/14] 株主変更のお知らせ - 新着情報 - ダイナモピクチャーズ

https://dynapix.jp/news/%e6%a0%aa%e4%b8%bb%e5%a4%89%e6%9b%b4%e3%81%ae%e3%81%8a%e7%9f%a5%e3%82%89%e3%81%9b/

Notification of the Acquisition of Dynamo Pictures, Inc.

(PDFファイル)https://www.nintendo.co.jp/ir/pdf/2022/220714e.pdf

Nintendo acquires animation studio that’ll become ‘Nintendo Pictures’ - The Verge

https://www.theverge.com/2022/7/14/23214706/nintendo-dynamo-pictures-acquisition-pictures-mario-movie

ダイナモピクチャーズは2011年3月に設立された独立系のCG映像制作会社で、同社の公式ホームページ上の制作実績によると、「攻殻機動隊 SAC_2045」のような3DCGアニメ作品から、「DEATH STRANDING」のような最新ゲーム作品、さらにはアーティスト・米津玄師さんの楽曲「POP SONG」のミュージックビデオの制作にも携わっています。公式サイトによると、「映像制作に加え、モーションキャプチャー撮影、MX4Dモーションプログラム制作や、映像技術を活かしたVRコンテンツ開発、ツールの開発も行っています」とのこと。



ダイナモピクチャーズは任天堂による買収について、「弊社のすべての株式(弊社が保有する自己株式を除く)を譲渡する契約が締結され、諸条件が充足されることを条件として、2022年10月3日付けで、任天堂の子会社となる予定」と説明しています。また、株式譲渡後は任天堂IPの映像コンテンツを継続的に制作することを目的に、商号を「ニンテンドーピクチャーズ株式会社」に変更する予定であるとも説明しています。

今回の動きについて、海外メディアのThe Vergeは「任天堂は現在、ここ数年間で最も重要な映画のリリースに向けて準備を進めているところです。その映画とは、クリス・プラット主演のスーパーマリオブラザーズのアニメ映画です」と指摘。映画版「スーパーマリオブラザーズ」は怪盗グルーシリーズのイルミネーションが製作を担当しており、公開時期は当初2022年12月を予定していましたが、2023年4月28日に延期されています。

映画版「スーパーマリオブラザーズ」の公開日が決定 - GIGAZINE



近年、ゲームメーカーによるオリジナルタイトルの映画化やドラマ化の動きは加速しています。セガの人気キャラクターであるソニック・ザ・ヘッジホッグは2作目の実写映画となる「ソニック・ザ・ムービー/ソニック VS ナックルズ」を2022年8月19日に公開予定で、PlayStation独占タイトルとしてノーティードッグが開発した「The Last of Us」はHBO向けに実写ドラマ化企画が進行中です。

人気ゲーム「The Last Of Us」の海外ドラマ化が決定、原作の生みの親ニック・ドラックマンも共同脚本として参加 - GIGAZINE



さらに、ソニーはオリジナルゲームの実写映像化やドラマ化を専門とするプロダクションスタジオのPlayStation Productionsまで立ち上げています。任天堂がこういった流れに続こうと考え、ダイナモピクチャーズを買収したとしても何ら不思議はありません。