ウェブブラウザ「Brave」が搭載している独自の検索エンジン「Brave Search」の検索クエリ数が1年で25億に達したことが明らかになりました。これまで「Brave Search」はベータ版でしたが、登場から1年が経過したことで正式版となり、新たに検索結果を表示するにあたって再ランク付けして独自のルールで表示することができる「Goggles」機能が追加されます。

Brave Search passes 2.5 billion queries in its first year, and debuts Goggles feature that allows users to choose their own search rankings | Brave Browser

https://brave.com/search-anniversary/



Brave’s search engine lets you customize your results - The Verge

https://www.theverge.com/2022/6/22/23179067/brave-search-engine-apply-custom-rankings-filters-goggles

「Brave Search」は大手IT企業による独占に真っ向から挑むものとしてBraveが提供している検索エンジンで、以下の点を重視しています。

・独立性:GoogleやBingに依存せずインデックスを1から作り上げて結果を提供する

・プライバシー:検索内容やクリックを追跡しない

・ユーザー第一:広告業界やデータ業界ではなくユーザーが一番

・透明性:検索結果を検閲したり、結果にバイアスをかけたりフィルタリングしたりダウンランクしたりしない

・シームレス:ブラウジング機能と検索の間で、プライバシーを損なうことなく、パーソナライズから入力時の即時結果表示まで統合して行う

この1年間の検索クエリは25億。Googleが年間25億クエリに到達するまで1年強、DuckDuckGoが4年かかったことを考えると、恐るべきスピードで成長しているといえます。なお、1日あたりのクエリ数は最高で1410万。月別集計値に基づく次の年間予測値は50億クエリです。

Braveの検索部門チーフであるジョセップ・M・プジョル氏は「ウェブは変化しており、我々の驚異的成長は、ユーザーを第一に考える検索エンジンに需要があることを示すものです」と語り、従来の検索のやり方を変えるために、新機能として「Goggles」を発表しました。

GoogleやBingが検索結果のランキングを政治的傾向など複数の要因に基づいて公然と操作しているのに対して、Brave Searchはオープン性を重視しており、フィルタリングや偏ったランク付けを行っていません。このオープン性をさらに押し進めるものとして提供されるのが「Goggles」です。

GitHubで公開されているドキュメントを参考にすれば、誰でもオリジナルのGogglesを作成可能。また、以下のページにアクセスすれば、他の人が作ったGogglesを使うことができます。他の人が作ったGogglesに手を加えて拡張することももちろん可能です。

Goggles - Brave Search

https://search.brave.com/goggles/discover

デフォルト状態でも、BraveによっていくつかのGogglesが用意されていて、Gogglesをどのように作ればいいかがわかるようになっています。

・Tech blogs:テック系ブログを優先表示

・Hacker News:Hacker Newsコミュニティで人気のあるドメインから、最も閲覧されているウェブサイト・トップ1000に入っているドメインを除いたものを優先表示

・no Pinterest:Pinterestでホストされているページやスレッドを削除して表示

・Rust Programming:プログラミング言語「Rust」に関連するページを優先表示

・CopyCats removal:技術コミュニティサイト・Stack OverflowのスレッドやGitHubの翻訳版など、コピーされたコンテンツを除外して表示

・1k short:最も閲覧されたウェブサイト上位1000を除外して表示