大谷翔平選手(2017年撮影)

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元プロ野球選手で野球解説者の黒木知宏氏が、北海道日本ハムファイターズの1軍投手コーチ時代に指導した現在米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手にまつわる裏話を披露した。

投手の時は「戦う男になってる」

大谷選手のルーキーイヤーとなる2013年から、5年間にわたって日ハムの1軍投手コーチを務めた黒木氏。2022年6月6日に上原浩治氏のYouTubeチャンネルで公開された動画に出演した黒木氏は、入団当時の大谷選手の第一印象について「ヒョロっとした可愛らしい高校生」と述べ、「本当に(球速)160キロ投げるの?」「スピードガンの表示が間違ってて、150キロそこそこじゃないの?」と、当初はその実力を訝しんでいたことを明かした。

しかし、大谷選手が初めてバッティングピッチャーを務めた時のこと。肩を作る投球練習に付き合ったという黒木氏は、新調したカチカチのキャッチャーミットでその球を受けたところ、「5球で(新品のミットが)フニャフニャになった」とし「大袈裟に言うとそれぐらいすごかった」という。「その球はまぁすごかった。受けた時の衝撃とか、速さとか。よく俺、受けれたなと思いましたもん。これを受けた時に『あ、本当に160キロ投げるわ』って思いましたね」と振り返った。

2013年、開幕から打者としての出場が続いていたプロ1年目の大谷選手が、投手として初登板・初先発したのは、同年5月23日の東京ヤクルトスワローズ戦でのこと。黒木氏は「それまでバッターですごく楽しそうに打ってるんですよね。開幕戦なんか岸(孝之)投手が投げる時に口ずさみながら打席に入ってるから、すごい楽しそうに見えたんですよ。でも、ピッチャーになったら顔が変わりましたね」と述懐し、「だから、ピッチャーをやってる時の大谷選手と野手をやってる時の大谷選手は全く別物です。もう闘う男になってる。僕はピッチャーやってる時の大谷選手の顔が好き」と語っていた。