ほぼぶっつけ本番でも単独首位 “理論派”黄アルムが開幕戦Vに前進(撮影:福田文平)

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<ダイキンオーキッドレディス 2日目◇4日◇琉球GC(沖縄県)◇6590ヤード・パー72>
国内女子ツアー開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」の2日目、韓国の黄アルムが1イーグル・5バーディ・2ボギーでこの日の最少スコア「67」をマーク。トータル8アンダーで単独首位に立った。
昨年、友人であるキム・ハヌル(韓国)が引退したことで「自分も体が動かなくなって、やめようかなと思っていた」とシード権喪失も相まって“引退”も考えていたという。しかし、もう1年頑張ってほしい、と応援をもらい、QTを受験することを決心。6位にランクインして、前半出場権を得た。
「予選を通ればいいと思っていたから(上位にいて)ドキドキ感を楽しめてうれしい。この世界にいられるチャンスがまだある」。前半9ホールでスコアを5つ伸ばす好プレーに満足そうな笑顔を見せた。
オフに取り組んだある“仕事”が今回のプレーにつながったという。「アマチュアに向けてのコラムを書いた。ツアーに出ているとスイングが感覚的になるけど、コラムは文章で書かないといけない。何がゴルフの基本なのか、何をどう教えればいいのか。よく頭で考えた」。このスイング分析が、ショット精度の向上につながった。
2カ月に渡る全8回分のコラム執筆、さらにそれに付随する動画撮影に忙しく、オフにラウンドする機会がほとんどないままでの沖縄入りだった。「全(美貞)さんに誘ってもらって先週3日間練習ラウンドをした。全然プレーしていなかったから筋肉痛になった(笑)」とプロらしからぬ驚きの事実を明かしたが、その効果は開幕戦からしっかり表れている。
コロナ禍の影響で「入国制限保障制度」が適用されたアルムは、開幕戦4試合の獲得賞金によってはフルシード権も得られる。「やめようと思っていたくらいだから、後悔のないように」。感覚派から理論派になった黄アルムのブレないスイングに注目だ。(文・笠井あかり)

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