ミーショーとショーピーは、世界最大のeコマース市場のふたつにおいて、自社の現地ユーザー向けに商品と機能をカスタマイズすることで、ソーシャルコマースを新たな高みに押し上げた。インド・ブランド・イクイティ・ファウンデーション(India Brand Equity Foundation)によれば、インドのオンラインショッピング分野は、2020年の462億ドル(約5兆2700億円)から、2025年には1114億ドル(約12兆7000億円)に成長すると予測されている。Facebookおよびベイン・アンド・カンパニー(Bain and Company)からのレポートによれば、東南アジアでのオンライン消費者の数は、今年末には3億5000万人に達すると予測されている。ミーショーのプラットフォームには、最新のカウント時点で1300万の起業家が存在していた。ミーナ氏によれば、同社の最近の成長のうち多くは、女性の出品者と、人口の少ないティアー4市と呼ばれる地方の市場における衣服や合成宝石などの低額商品への需要により促進されている。ショーピーの第3四半期の収益は、同社が昨年ブラジル、ポーランド、フランス、スペイン、インドなど新しい国々に事業を拡大したことから、前年比で一気に167.6%も増加し、14.5億ドル(約1653億円)に達した。しかし同時に同社は損失も大きく、物流と広告の経費から、純損失は2倍以上の7億4140万ドル(約845億円)に達した。
タイミングとリスク
しかし、ソーシャルコマースの売上額には上限が存在する可能性もあり、より大手のeコマース企業にとっては実験以上の価値を見いだせないことも考えられる。この分野での成長を続けるためには革新が必要であるということを示すかのように、ミーショーは現在純粋なeコマースプラットフォームへの転換を試みていると、ミーナ氏は語る。同社は秋に、資金調達ラウンドで5億7000万ドル(約650億円)を調達し、49億ドル(約5590億円)の評価額に達したあとで、食料品などの新たなカテゴリーへの参入を計画していることを明らかにした。このため、フリップカートやAmazonなどの大手業者は、ソーシャルコマースを新しい試験的な機能や、自社の大規模なビジネスのごく一部としてテストするだけに留まるかもしれないと、同氏は言及している。ただし、すべての関係者がこのような圧力を感じているわけではない。中国のウィーチャットは同国のスマートフォンユーザーのほとんどに使用されているが、同社のサービスのミニアプリには毎日4億5000万人のアクティブユーザーが存在する。同社は2022年1月に、ウィーチャットユーザーが2021年にミニプログラムにアクセスする頻度は、前年よりも32%増加したことを公表した。一方で、ソーシャルコマースの成功を無視することはAmazonにとって大きな損失となるだろうと警告する人々もいる。シンガポールを拠点とするファッション分析およびインサイトソフトウェアであるオムニリティクス(Omnilytics)の共同創設者でCEOを務めるケンドリック・ウォン氏は次のように述べている。「ショーピーなどのeコマース企業はアプリの世界で生まれ、その世界では注目がもっとも優先され、ギミックが大きな役割を果たす。このような世界で生まれた企業は、まだ進化していない大手有名企業の安定した地位を崩せる位置にいる」。[原文:Amazon Briefing: Is Amazon missing out on the rise of social commerce in Asia?] Saqib Shah(翻訳:ジェスコーポレーション 編集:猿渡さとみ)