【から揚げ】に「本当に合うお酒」って何? “部位&味別”に徹底調査してみた!
「から揚げ」に合うお酒は、ビール? レモンサワー? 本当に?
近年、から揚げの再評価と合わせて、から揚げを看板メニューにする居酒屋もずいぶん増えました。
一般に「から揚げに合う酒」と言うと、ビールやレモンサワーなどが挙げられると思いますが、ではワインやカクテルには絶対に合わないのでしょうか。
また、一口にから揚げと言っても、もも肉、むね肉、手羽などのほか、お店によってはさらにアレンジした様々なメニューを展開するところもあり、やはり「から揚げに合う酒」を言い切るのは少々難しくも思います。
このやや判断が難しくも感じる「から揚げにふさわしい酒」を、今回は徹底レビューするため東京・有明にあるから揚げ専門店「こだわりから揚げの酒処 くらふと」に行きました。
同店の20種類以上ものから揚げメニューのうち6種を試食。
この6種それぞれに合う酒を、「クラフトビール」「ハイボール」「レモンサワー」「焼酎」「梅酒」「白ワイン」「赤ワイン」「カシスオレンジ」の中からズバリ決めていきます。
から揚げ「もも・醤油」に最も合う酒は!?
濃厚な口当たりの鶏肉に合う酒はやはり……
まず最初に試すのはから揚げのド定番「もも・醤油」。
筋肉が多く、口当たり良い弾力があり、鶏肉本来の美味しさを感じられるものですが、これをおつまみに酒類各種を飲んでみたところ、ズバリ最も合ったのは「レモンサワー」でした。
コクのあるから揚げの味を、「レモンサワー」がスキっとさせてくれ、バッチリすぎる親和性でした。
他方、意外だったのが「白ワイン」もなかなか捨てがったこと。いずれにしても「もも・醤油」は味が強い、スッキリとしたお酒のほうがペアリングには合うように思いました。
から揚げ「むね・醤油」に最も合う酒は!?
脂肪分が少なく、アッサリした口当たりに合うのは意外にも!
次に、脂肪分が少なくあっさりとした風合いの「むね・醤油」をいただき、最も合うお酒を選んでみました。
もともとがあっさりした味なので、基本的にはどのお酒にも合うと思いましたが、中でも一番美味しく味わえたのが「ハイボール」でした。
正直、筆者も意外でしたが、「ハイボール」のコク深い甘みと、「むね・醤油」のあっさり風味が何気によく合う。このペアリングなら数杯&数個、グビッとペロッといただけると思いました。
から揚げ「手羽元・醤油」に最も合う酒は!?
アッサリしているのにコクがある部位に合う酒は……
続いて「手羽元・醤油」を試してみます。
手羽先よりも付け根に近い部位で、脂肪分が少なくあっさりした口当たり。その一方、相応のコクもあり、鶏肉らしさを感じられるため「くらふと」のからあげ商品の中でもコアな人気を得ているメニューだそうです。
この「手羽元・醤油」に最も合うお酒は「焼酎」でした。前述のような特徴がある部位なので、実は最も「合うお酒」に迷いましたが、焼酎の柔らかい口当たりが、「手羽元・醤油」のパンチを優しく包んでくれるような印象でした。
ただし、ほかの酒が全く合わないというわけではなく、「梅酒」「赤ワイン」なんかも結構合うように感じました。
から揚げ「手羽中・醤油」に最も合う酒は!?
身は少ないものの旨味が強い肉質に合うのは、ド定版のあのお酒!
続いて「手羽中・醤油」を試します。
手羽中とは手羽先の先端を切り離した部位で、身は少ない一方、肉質は引き締まっており「鶏肉で最もうまい」と言う人もいるほど旨味十分。この「手羽中・醤油」に最も合ったのは「クラフトビール」でした。
「から揚げ+ビール」は日本人の酒飲みなら誰でも口にしたことがあるド定番のペアリングですが、他の部位よりも「クラフトビール」が合ったのは、やはり「手羽中」が持つ強いアタック、肉々しい旨味に負けず劣らずのビールのコクがバッチリマッチしたから。
もちろん、他のお酒が合わないというわけではないですが、やはり鶏肉の風合いとのバランスでは「クラフトビール」がベストでした。
から揚げ「日向鶏骨付きもも肉の一本揚げ」に最も合う酒は!?
ダイナミックにいただく名物メニューに合う酒は……
そして、「くらふと」の名物メニュー、「日向鶏骨付きもも肉の一本揚げ」を試します。
鶏の旨味、味わいを丸ごと1本でダイナミックにいただけるものですが、その重さはなんと約500g。これはペアリングのお酒を選ぶのも難しそうですが、意外にも合ったのが「梅酒」でした。
「日向鶏骨付きもも肉の一本揚げ」は相当強いパンチを持っており、これをいただく場合、比較的軽めの口当たりのお酒のほうが良く、どこか口直しに繋がるような印象もある「梅酒」が最もふさわしいように思いました。
もちろん、パンチに負けないように「クラフトビール」や「レモンサワー」も良さそうですが、せっかくのダイナミックな一本揚げです。ここは鶏のほうに専念していただくほうが良いでしょう。
塩味・アレンジ系から揚げには洋酒が合う!?
アレンジ系にピッタリなお酒は、意外にもアレ
ここまでに紹介した定番のから揚げメニューのほか、「くらふと」では各種部位に対し「塩」に加え、「辛味」「甘辛」「バジルチーズ」「激辛」といったアレンジメニューも提供しています。
「塩」はサッパリとした口当たりで、どんなお酒にもマッチしそうですが、それ以外のアレンジメニューのから揚げはどれも洋酒系のお酒「赤ワイン」「白ワイン」「カシスオレンジ」などに合うように思いました。
各メニューの味付けのパンチを、洋酒系の甘い風合いが包み込んでくれるような印象で、これまたどんどんいただきたくなるペアリングでもありました。
さらにご自身ならではのペアリングの探究を!
豊富な種類のから揚げだけでなく、様々なお酒を用意している「くらふと」
最後に「くらふと」のマネージャー、山田航也さんにも話を聞いてみました。
「皆さん慣れ親しんでいるから揚げですので、どのお酒にも基本的には合うと思います。
しかし、さらにご自身ならではのペアリングを見つけていただけるよう、当店では20種以上のから揚げだけでなく、様々なお酒もご用意しています。
ぜひ一度ご来店いただき、『どのから揚げに、どのお酒が合うか』お試しいただければ嬉しいですね」(山田さん)
いや〜、酔っ払いました(笑)。しかし、から揚げの部位ごとにピッタリ合うお酒がこんなに違うことは正直意外でもありました。
から揚げをいただく際、定番のビールやサワーだけでなく、今回ご紹介したような様々なお酒と合わせてみると、から揚げもお酒もさらに美味しくいただけるかもしれませんよ!