土地と気候が生み出す名産品!福島県の定番保存食「凍み豆腐」の食べ方

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福島県の名産品のひとつである、福島市立子山地区で作られている「凍み豆腐」は今が生産の最盛期。呼び名が違うものとして高野豆腐などが挙げられます。この秋福島にUターンした筆者が凍み豆腐の魅力と定番の食べ方をご紹介します。

福島名産「凍み豆腐」の生産が最盛期!


日本各地には、その土地で食べ親しまれている名産品がたくさんあるかと思います。

地元では当たり前に食べていたものでも、上京をすると全くなじみのないもので、すぐに手に入らない!という経験をされた方は少なくないのではないでしょうか。

福島人の私にとってそれが、今回ご紹介する「凍み豆腐」です。


凍み豆腐とは、薄く切った豆腐の水分を絞り冷凍庫で熟成させたものを、ひとつひとつ丁寧にわらで編み上げ、日当たりの良い干し場で5日〜1週間ほど冷たい風にさらして乾燥させて作られる保存食品。

冬の寒さ・乾燥・風の条件を満たした土地である福島県福島市の立子山地区は、凍み豆腐の産地として名高く、今が作業の最盛期。干し場にずらりと並ぶ凍み豆腐は圧巻で、この地域の冬の風物詩でもあります。


高野豆腐と凍み豆腐の違いは

全国的には、「高野豆腐」の呼び名がポピュラーです。

高野豆腐との違いは調べると色々出てきますが、ほぼ同じものを指すそう。立子山の凍み豆腐は、お坊さんが高野山に修行にいったときに作り方を学び、この地に普及させたといわれています。

高野豆腐と呼ぶのは高野山を中心とした関西エリアなんだそうで、大阪エリアなどでは「ちはや豆腐」と呼び、「凍り豆腐」と呼ぶ地域もあるのだとか。

とは言っても、小さい頃から「凍み豆腐」しか食べたことがなかった私にとっては、高野豆腐はやはり別物という感覚。薄さが違うから、はじめは使い方に戸惑ったものです。

それに、香りが全然違うんですよね。ふるさとの風をたっぷり浴びて、丁寧にわらで編まれた凍み豆腐は、いい意味で”田舎くささ”が感じられて、食べた時の安心感があります(笑)。


凍み豆腐の栄養

凍み豆腐は大豆が原料。約50%がたんぱく質でできています。

糖質が低く、女性ホルモンと似た働きをする大豆イソフラボンも豊富。貧血予防に効果的な鉄や腸内環境を整える効果がある食物繊維も豊富で女性に嬉しい成分が豊富に含まれている、健康にうれしい食品なんです。


我が家の凍み豆腐の食べ方


寒い季節、特に年末年始は凍み豆腐の消費も上がるため、スーパーの売り場も拡大されてきます。化粧箱入りのものもあり、贈答用として購入される方も多いんです。

保存食ですが、ぬるま湯に2分程浸せばすぐ戻るので、ストックしておくととても便利!
特別な食べ方ではないのですが、我が家の活用法をご紹介します。


定番は凍み豆腐の味噌汁

凍み豆腐は味噌汁で活用することが我が家では一番多いです。

おかずは決まっても、味噌汁の具どうしよう……という時のお助けアイテム。わかめ・玉ねぎの組み合わせが好きです!


つゆ餅のおつゆにも凍み豆腐必須!

お正月に食べるつゆ餅のおつゆにも、凍み豆腐が欠かせません。

地域によって様々かと思いますが、我が家は醤油仕立てで、鶏肉・大根・人参・ごぼう・ねぎ・えのき・せり(または三つ葉)、そして凍み豆腐、最後にかまぼこを飾ります。


凍み豆腐の煮物は祖母の味

凍み豆腐を使った煮物は、祖母の味をベースに作っています。切り方は三角が定番。

祖母の煮物には、必ず切り昆布が入ります。じゃがいもだったり里芋だったり、さつま揚げだったり車麩だったり。合わせる具材はその時々で違えど、切り昆布はなぜかマスト。

大げさかもしれませんが、煮物に凍み豆腐が入るだけで福島感がグッとアップするんです!


凍み豆腐の卵とじもおすすめ

凍み豆腐の卵とじも、あと一品欲しいときに簡単で重宝するメニュー。食べ応えが欲しいときにはきのこでかさましすることが多いです。

フライパンに水と酒、きのこを入れて煮立たせたら、凍み豆腐と白だしを加えて更に煮ます。そこにたっぷりの三つ葉をのせて卵でとじるだけ。簡単でおいしいですよ♪


ぜひ高野豆腐と食べ比べてみてください


福島県内では手に入りやすいですが、県外の方は送料無料のお試しアイテムがおすすめ。
ふわふわで舌ざわり滑らかな立子山の凍み豆腐は、ぜひ一度味わっていただきたい逸品です。

身近で手に入る高野豆腐との食べ比べで楽しんでみるのもいいですね。