アップル、2023年iPhone用の独自開発モデムはA17(仮)に統合しない噂
アップルが独自開発のモデムチップを2023年のiPhoneに投入するとの予想は、先日も現在iPhoneにモデムを供給中のクアルコム幹部が示唆していたことです。その続報として、モデムチップはAシリーズチップ(A15 Bionicなど歴代iPhone用プロセッサの総称)に統合されないとの噂が報じられています。
ウワサの発信源は、台湾の電子部品業界情報誌DigiTimesの有料記事です。それによると、2022年はクアルコムがiPhone用モデムチップを独占供給する最後の年になるとのこと。それ以降のiPhoneには、アップル自らが設計した5Gモデムチップを搭載されるとの情報筋の予想が伝えられています。
さらに2023年iPhone用に開発中の5Gモデムは、「A17」(仮称)と呼ばれるAシリーズチップとは別ものだと述べられています。こうしたSoCと5Gモデムを別個にするアプローチは、近年のAndroid用モバイルプロセッサSnapdragon 888などが5Gモデムを統合していることと対照的ではあります。
この5Gベースバンドモデムの供給は、台湾TSMCが準備中とのことです。TSMCはiPhone 13シリーズ用のA15 BionicやMac用のM1、M1 ProおよびM1 Maxといった、アップルが独自開発した「Appleシリコン」製造のすべてを受け持っている世界最大手半導体ファウンダリです。
アップル社内でモデムチップの独自開発を進んでいるのは、2019年にインテルのスマートフォン向け通信モデム事業を買収したことでも公然の秘密となっています。iPhone 12シリーズでの5G対応を急ぐために、一度は法廷闘争を繰り広げたクアルコムと和解して6年間の半導体供給を含む契約を締結しながらも、そちらで時間稼ぎしている間にモデム開発を急いでいると推測されていました。
モデムチップもアップル設計となれば、iPhoneやiPad以外のアップル製品にも内蔵しやすくなるはず。MacBook Airなどに5G通信機能が備わるのも、そう遠い未来のことではないのかもしれません。
Source:DigiTimes
via:MacRumors