Devindra Hardawar/Engadget

アップルの関する噂の中でいくつか出ているのが、将来のiPadとMacBookに搭載する有機EL画面についての話題。その有機ELパネルの調達に関して、アップルは韓国サムスンおよびLGディスプレイと協議しているものの、搭載製品としての発売は数年先になるとの噂話が伝えられています。

韓国のエレクトロニクス産業誌The Elecによると、アップルは「ツースタック・タンデム構造」を持つ有機ELディスプレイの採用を検討中とのこと。これは赤、緑、青の発光層を2段重ねにしたもので、最大で2倍の輝度を持つディスプレイを実現できるというもの。

なお、現在販売中のiPhone 13シリーズなどの有機EL画面は、シングルスタック(1枚重ね)構造だと説明されています。

一般的に有機ELパネルはコスト高となるため、実際にはiPad ProやMacBook Proなど、上位モデルに採用される可能性が高いはず。The Elecも将来の有機EL搭載iPadには11インチと12.9インチのサイズがあると伝えていますが、これらは現在のiPad Proのサイズと同じです。

さらに同記事での報告によると、ツースタック・タンデムのiPad向けパネルは、低消費電力のLTPO仕様になるとのこと。このLTPO技術はiPhone 13 Proにも採用されていることから、13 Proの特徴でもある10Hz〜120HzのProMotion(可変リフレッシュレート)に対応する可能性があります。

すでにiPad Proでは2017年モデルからProMotionに対応していますが、現状では24Hz〜120Hzであり、将来的にはリフレッシュレートの幅が広がるというわけです。

なお、こうした予測は、The ELecが過去にも何度か報じてきた内容の再確認でもありますが、同誌はそれほどこれらの噂に確信があるとも推測できます。以前は上記のような新技術により、有機ELパネルは最大2倍明るくなり、耐用年数は最大4倍に延びると述べられていました。

なお有機EL版iPadの噂では、有名アナリストMing-Chi Kuo氏も開発中だと語っていますが、見解が分かれるのは「いつ発売されるか」についてです。Kuo氏は2022年発売予定としていましたが、今回のThe Elec報道では2023年後半〜2024年に延期されたとのことです。

それに加えてThe ELecは、初の有機ELディスプレイ搭載MacBookも2025年に発売されるかもしれないが、この計画はさらに延期される可能性があるとの関係者の話を伝えています。

ほか将来のアップル製品に搭載されるディスプレイ技術については、Nikkei Asia が「マイクロLEDディスプレイ技術の研究開発も積極的に行われている」と伝えています。

ここでいうマイクロLEDとは、超微細なLEDを画面に敷き詰めて映像を表示する技術のこと。赤緑青のLEDが自発光するという有機ELパネルとほぼ同じ原理ながら、有機物を含まないために焼き付きや劣化が防ぎやすく、省電力性能も期待されているものです。

こちらもアップルが研究開発中であり、数年後のApple Watchに採用するとの噂話がありました。

M1 12.9インチiPad Proや新型MacBook ProにはミニLEDバックライト画面が採用され、その美しさや明るさがユーザーからの高評価を得ています。が、アップルは今後もいっそう研究開発を進め、それらを凌ぐディスプレイを次々と投入してくるのかもしれません。

Source:The Elec

via:MacRumors