Apple

アップルはゲーム定額サービスApple Arcadeを提供中ですが、それとは別の「クラウドゲーミングサービス」の立ち上げを検討していたものの現時点では中止したとの噂話が報じられています。

これはアップルの内部情報に詳しいBloombergのMark Gurman記者が、読者からの「アップルはApple Arcadeをベースにしたクラウドゲーミングサービスを計画していますか?」との質問に答えたものです。

それに対してGurman氏はApple Arcadeにつき「ややユニークで、クラウドからではなく、デバイス上でネイティブに動作するゲームに依存している」と答えています。つまりApple Arcadeのラインアップにあるゲームを他社のスマートフォンやWebブラウザからプレイできる可能性は低いと示唆している模様です。

話はそこで終わらず、Gurman氏は「ゲームのためのNetflix」(端末に依存せず、ストリーミングでゲームをプレイ可能にするサービス)に注力しているマイクロソフトやNVIDIA、Googleに言及。さらにアップルがなぜ、これらの企業にApple Arcadeへの参加を認めないのかといえば、競合他社だからではなく「単にデバイス(iPhoneやiPad)上でのクラウドゲームサービスの遊び放題を認めていない」からだと述べています。

アップルはApp StoreでXboxゲームパス(xCloud)などクラウドゲーミングサービスを認めるとしつつ、「個別のゲームごとにApp Storeでダウンロードさせること」「個別のゲームごとに、アップデートごとにApp Storeの審査を通すこと」などの厳しすぎる条件を付けて、実質的に道を閉ざしています。そのためMSはApp Storeを通さず、ブラウザベースでの提供に切り替えたいきさつがあります(すでに日本でもサービス開始済み)。

さらに興味深いのは、Gurman氏が「それにもかかわらず、同社(アップル)は過去にそのようなサービスを開始する見通しを社内で話し合ったと聞いている」と述べていることです。すなわちアップルが独自のクラウドゲーミングサービスを検討していたというわけです。

つまりアップルが数年前にApple Arcadeを発表した時点では、別のアプローチがあり得たか、少なくとも現在のものとは大きく異なっていた可能性があるということ。実際Apple MusicやApple TV+はPS5やXbox Series X|Sなど他社プラットフォーム向けにもアプリやサービスが提供されていますが、Apple ArcadeもAndroidスマートフォンで遊べる世界線があったのかもしれません。

また最近ではアップルがNintendo Switchのようなゲーム専用デバイスを準備しているとの噂話も伝えられていました。が、iPhoneほど高価ではない携帯ゲーム向きの製品ならばiPad miniもあり、またゲーム専用機を売るためには魅力ある独占タイトルが必須のため、限りなく可能性が低いとの指摘もあります。

iOSアプリを安価に遊べるデバイスといえば、新型iPod touchが2021年秋に登場するとの予想もありました。もうすぐ秋は過ぎ去りそうですが、今晩の「パワー全開」イベントで“One more thing”として登場するかもと夢見たいところです(最近の噂話は皆無ですが)。

 

Source:Bloomberg

via:9to5Mac