国際的なサプライチェーンが抱える問題は深刻化しているが、こうしたなかアップルはこの秋に2度目となるハードウェアの発表会を開催する。「パワー全開(Unleashed)」と題されたこのイヴェントは10月18日(米国時間、日本時間の19日午前2時)に開催され、この1年半に実施されたすべてのイヴェントと同じくヴァーチャル開催となっている。

「直前予測:新しい「MacBook Pro」はどう進化する? アップルが発表する新製品の中身」の写真・リンク付きの記事はこちら

アップルは「iMac」「iPad」「iPhone」「Apple Watch」、そして新しいソフトウェアのアップデートについて、これまで通常の周期で発表してきた。今回は今年最後の製品イヴェントになりそうだ。

超空間を思わせる星のヴィジュアルを使ったイヴェント案内を見ると、アップルは新しいスクリーンセイヴァーを発表するつもりなのかと思われるかもしれない。だが、今回の注目されるニュースは「MacBook」にまつわるものになることだろう。

アップルの発表会は米国時間の18日(米東部標準時の午後1時、米太平洋標準時の午前10時、日本時間の19日午前2時)に開始される。発表会の様子はアップルのウェブサイトのほか、YouTube、「Apple TV+」に対応したテレビなどで視聴できる。時間になれば下記からも再生可能だ。

発表が予想される新製品は?

今回のイヴェントで何が発表されるのかは、すでに流れている噂からだいたいの予想がつく(ただし、アップルは「最後にもうひとつ」を追加しがちだ)。

アップルに詳しいブルームバーグのマーク・ガーマンは、「MacBook Pro」の大幅な刷新を予想している。アップルは14インチと16インチの2種類のMacBook Proを発表する可能性があるが、それぞれアップル独自のチップを搭載し、そのチップも新しくなる可能性が高い。ちなみにアップルは2019年以降、16インチのMacBook Proを刷新していない。

新しいMacBook Proは、アップルのデザインが機能よりスリムで修理不可能な形状を好む時代からの大きな転換を示すものになるかもしれない。アップルの最高デザイン責任者だったジョナサン・アイヴは19年6月に同社を去り、自身のデザイン会社を立ち上げている。それ以来のアップルは、極めて使い勝手の悪いバタフライキーボードといった物議を醸した設計から少しずつ手を引いてきた。

新しいMacBook Proは「MagSafe」に対応した充電アダプターのほか、HDMI接続、複数のUSBポートなどを備えて使いやすさを追求する傾向が続くと予想される。SDカードスロットも搭載されることを願うばかりだ。さらに、キーボード上部に配置されてきた「Touch Bar」もなくなると噂されている。

また、新しい「Mac mini」が登場するとの話もあり、こちらもプロセッサーが強化されてポートが豊富に用意されそうだ。こうしたマシンに搭載されるソフトウェアに関しては、6月に発表された最新OSの「macOS Monterey」の一般向け最終ヴァージョンのリリース日が発表される可能性が高い。

このほか、ワイヤレスイヤフォン「AirPods」の最新モデルの噂が、今年に入ってからずっと流れている。もしアップルが標準モデルの刷新を決定すれば、第3世代の「AirPods」はイヤーチップが取り外し可能になり、耳から突き出す長いステム(支柱)が短くなる可能性がある。確定したわけではないものの、今年アップルのイヤフォンがアップデートされるとすれば、おそらく今回のイヴェントで発表されるだろう。

※『WIRED』によるアップルの関連記事はこちら。