台湾と日本ではまったく違うゴミ捨ての事情(写真:Ushico/PIXTA)

台湾で2人の男の子の子育て真っ最中の神谷知佳が台湾の育児事情などについてお届けします。今回は台湾生活で意外とハードな「ゴミ捨て事情」についてのお話。

台湾生活でネックな「ゴミ捨て」問題とは

日本人が台湾に住み始めると、いちばん始めにぶち当たる壁。それは「毎日のゴミ捨て」問題。


当記事は、Domani(ドマーニ)公式ウェブサイトの提供記事です

管理人さんが常駐しているマンションなどの場合は別ですが、一般的な住宅の場合、ゴミ捨て場がなく、地区別に決められたゴミ置き場もありません。そのため、台湾での毎日のゴミ捨てはとてもハードなのです。

決められた日時にゴミ収集車が来たら…

台湾のゴミ捨てのシステムですが、収集車を見つけたら、自分でゴミを収集車に持っていくシステムなのです。ゴミをまとめて置いておくと、収集車が持って行ってくれる日本とは逆ですね。


(写真:Domani編集部)

ゴミ収集車を「待つ」か「ダッシュで追いかける」

「どうやってゴミ収集車に持っていくのか?」ですが、決められた曜日の決められた時間に決められた場所にやって来るゴミ収集車を待つ、もしくは、「エリーゼのために」や「乙女の祈り」(地域によって曲が異なります)が、どこからともなく爆音で聞こえてくるので、その曲が聞こえたら毎日ダッシュで外に出て、ゴミ収集車を追いかけ、自分でゴミを放り込みます。


(写真:Domani編集部)

ダッシュしすぎて、転んでいる人をよく目にするほど危険ですし、ダッシュだけでなく、自転車やバイクなどに乗ってゴミ収集車を追いかけてきているツワモノを目にしたこともあります。

また「決められた時間」と言っても、日本のように誤差なくやって来てくれるわけではないので、このゴミ出しのために毎日スケジュールをあけておかなくてはなりません。

しかも台湾は暑い国なので、1日でもごみ捨てができないとすぐに傷んでしまい、臭いが発生したり、虫発生問題が起こるので、必ず成し遂げなければいけない毎日のタスクなのですが、会社勤めをしている方にとっては、このゴミ出しが結構大変なルーティンです。

台湾のゴミ捨ては生ゴミの分別が重要ポイント!

台湾も日本と同じく、ゴミの分別ルールがあります。大きくは「一般ゴミ」「資源ゴミ」「生ゴミ」の3種類。そして、いちばん驚いたのは、「生ゴミ」の分類ルール!

生ゴミは「養豚用」と「堆肥用」2種類の分別

生ゴミは生ゴミでも、その中でもまた2種類に分けられます。1つは「養豚用」、もう1つは「堆肥用」に分けて回収されます。

「養豚用」:家で料理などで不要になった残飯で、加熱すれば豚の餌として食べられるもの
「堆肥用」:果物の皮、食材の殻、骨、コーヒーや茶の出がらし、豚の餌にならないものや腐敗した食材

生ゴミをさらに豚が食べられるか食べられないかで分類して、「養豚用」の食材にリサイクルしています。生ゴミに一般ゴミなどほかのものを混ぜてしまうと、罰金1,200〜6,000元(約4,800〜24,000円)が課される場合もあるそうです。

私が今住んでいるところは幸運にもマンション住居者専用のゴミ捨てがありゴミ収集車を追いかける状況には直面していないのですが、日本人の友人が引っ越し先を見つける際、真っ先に「ゴミ捨てがあるマンション」を条件にして、物件を探していた気持ちを心底理解できます。

神谷知佳
台湾で2児(ともに男児)の子育て真っ最中。国際線CA→大手スポーツメーカーの人事を経て台湾移住。現在はフリーランス人事として仕事と育児のバランスを模索中。