Appleは第6世代となる「iPad mini」をリリースしていますが、このiPad miniのディスプレイで画面スクロール時に表記が崩れる「ゼリースクロール」が発生していると報じられています。Appleによると、このゼリースクロールは「正常な動作である」とのことです。

iPad Mini 6 Users Complain of 'Jelly Scrolling' Issue in Portrait Orientation - MacRumors

https://www.macrumors.com/2021/09/27/ipad-mini-6-jelly-scroll-issue-vertical/

Newest iPad mini has a subtle scrolling problem [Updated] | Ars Technica

https://arstechnica.com/gadgets/2021/09/2021-ipad-mini-suffers-from-uneven-jelly-scrolling-in-portrait-mode/

Apple Dismisses iPad Mini Jelly Scrolling Bug As Expected Behavior, Are You Holding It Wrong?

https://hothardware.com/news/apple-dismisses-ipad-mini-jelly-scrolling-bug

Apple関連メディアのMacRumorsによると、ゼリースクロールはウェブページや文章などのテキストベースのコンテンツを垂直方向にスクロールする際に目立つそうです。ゼリースクロールは画面端の左右で応答タイミングが微妙にずれているため起きるものと考えられています。MacRumorsの読者からもゼリースクロール現象に遭遇したという報告があがっているとのこと。MacRumorsは「ゼリースクロールは眼精疲労を誘発する可能性がある」と述べています。

海外メディア・The Vergeのライターであるディーター・ボーン氏は、「以下の動画は第6世代iPad miniで画面をスクロールする様子をスローモーションで撮影したものです。フレームごとにさらに速度を落としています。画面の右側が左側よりも速く上に移動していることに注意してください。通常の使用時にはほとんど確認できませんが、時々目立つようになります」と記しています。



MacRumorsは「ゼリースクロールはイギリスのApple Storeに展示されているすべての第6世代iPad miniで確認できました。この問題は画面を横向きにしてスクロールした際には確認できません。これは縦向きに端末を持った際に生じる問題です」と記しています。一方、The Vergeは「画面を横向きにした場合でも、水平方向にスクロールするとゼリースクロールが発生する」としています。ただし、水平方向のスクロールに対応したアプリは少ないため、ほとんどのユーザーが気づくことはないだろうとも指摘しました。

これについて、AppleはThe Vergeに対して「第6世代iPad miniのゼリースクロール問題は液晶ディスプレイの正常な動作である」と回答しており、ハードウェアやソフトウェアを修正する必要はないと考えている模様。第6世代iPad miniのディスプレイはリフレッシュレートが60Hzとなっていますが、他の60Hz液晶ディスプレイを搭載しているiPad AirやiPadではゼリースクロールが目立たないようで、「第6世代iPad miniでだけゼリースクロールは目立つようになっている」とThe Vergeは報じています。

なお、さまざまなガジェットを分解して修理難度を測定するiFixitは、第6世代iPad miniでのみゼリースクロールが目立つ理由を「安価なディスプレイパネルを使用したため」と推測しています。

iPad Mini Teardown: Here’s Why it Jelly Scrolls - YouTube