長時間のスマホによる疲れ目、老眼…。改善に有効な「ガポールパッチ」って?
新型コロナウイルスの影響で、いまだにテレワークやステイホーム中心の方も多いのでは?
在宅勤務や自宅で過ごすことが多くなると、ついつい長時間見てしまうのがパソコンやスマホ。そのせいで、目の疲れに悩んでいる人が増加しているようです。
今回は、スマホ老眼を改善する効果が高い「ガポールパッチ・トレーニング」についてご紹介します。
スマホやPCなどデジタル画面を見る機会が増えたことで目の疲れに悩んでいませんか?(※写真はイメージです)
そもそも目の構造はカメラのようなもの。レンズに当たるのが「角膜(かくまく)」と「水晶体(すいしょうたい)」です。角膜は半球状の透明な厚い膜で、水晶体は弾力性があって厚みを変えられます。水晶体は厚みが変わるレンズで、ピント調節の要です。
実際には毛様体筋という筋肉がその厚さを調節。つまり毛様体筋が収縮したり、緩んだりしながらピント調節が行われているのです。
しかし、パソコンやスマホを長時間見続けるなど、近くのものばかりを見る生活が増えていくと、毛様体筋がこり固まり、水晶体の厚みの調節をしにくくなります。
また最近は、パソコンやスマホを長時間見続ける生活によって、20代、30代でも目のピント調節をしづらくなる「スマホ老眼」の問題も取り沙汰されています。スマホ老眼は、スマホやタブレットなどを長時間見た後、遠くを見るときに“ピンぼけ”が一時的に起きてしまう現象で、それも毛様体筋のこり固まりが原因といわれています。
このような「スマホ老眼」や疲れ目を改善するに最適なのが、「ガボールパッチ・トレーニング」です。
ガボールパッチとは、イギリスの物理学者デニス・ガボール博士が考案した、見た目がぼやけた白と黒の縞模様のこと。視力回復目的で考案されたものではないのですが、弱視に対する効果や、軽度の近視や老眼への効果などの論文が多数発表されています。
このガボールパッチを見ることで、脳で見る力(脳内視力)を高め、視力アップ効果も期待できるのです。
以下のものに1つでも当てはまるようなら、みなさんにもガボールパッチ・トレーニングがおすすめです!
なぜガボールパッチが近視やスマホ老眼の改善に有効なのか、眼科専門医の林田康隆先生に教えてもらいました。
「ガボールパッチは、単に白黒の縞模様ではなく、縞模様がぼやけているのでコントラスト(明暗の差)が判別しにくくなっています。空間周波数も異なる(くり返しの数が異なる)ガボールパッチを見分けるトレーニングを続けることで、普段は見えづらいと感じるコントラストを判別する能力が高まるのです(目が疲れていたり、老眼が進んでくるとコントラスト感度は低下します)。
ガボールパッチの組み合わせを探すために視線を動かすと、目の筋肉のこりがほぐれるとともに、目の血流も増えます。目の血流が増えると視神経にも酸素や栄養が行き渡り、視神経の保護にも役立つと考えられます。
また、ゲーム感覚で楽しく行える脳トレ要素も含むので、脳も鍛えられます」
ガボールパッチ・トレーニングを自宅でも簡単にできるやり方とポイントをご紹介します。
(1) 同じガボールパッチを探す
(2) 画面は目からスマホは30cm、PCは40cmほど離す(※スマートフォンで見る場合は、画面を横にすると見やすい)
(3) 明るい所で行う
(4) 1日1回3〜10分行う
(5) メガネ(老眼鏡を含む)&コンタクトレンズはつけたままで。途中でまばたきをすることも大切
(6) 最低でも10日間は続ける
それでは、さっそくやってみましょう。
好きなガボールパッチを1つ選び、それと同じものをすべて探し出します。全部見つけたら、別のガボールパッチを選び、同じようにくり返します。すべての種類のガボールパッチについて行う必要はありませんが、1回につき3〜10分ほど行うとよいでしょう。
画面全体を見るようにたくさん目を動かして行うと、毛様体筋のストレッチになります。目が疲れてきたら、いったん画面から目を外して遠くを見ましょう!
答えはこちら。
同じアルファベットのものが同じパッチと言うことになります。
遠近感のある写真の上に、ガボールパッチが並んでいます。好きなガボールパッチを1つ選び、それと同じものをすべて探し出します。ガボールパッチを探すだけでなく、地平線と桟橋を交互に見ることでも、ピント調節力をアップさせることができます。
答えはこちら。
「効果には個人差があるので、最低でも10日間は続けて行うのがおすすめです。また、パソコンやスマホを見る時間が長いと、文字を縦に読む機会が減少していきます。目は左右ばかりではなく、上下にもきちんと動かしましょう」と林田先生。
林田先生が監修を務めた『1日1回! 楽しく眺めるだけで目がよくなるガボールパッチ
』(扶桑社刊)には、種類の違う30日分のガボールパッチ・トレーニングが掲載されています。近視、スマホ老眼の改善策として、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。
<取材・文/ESSEonline編集部>
日本眼科学会認定眼科専門医。医療法人社団康梓会Y'sサイエンスクリニック広尾院長。医学博士・眼科専門医。著書・監修書は『1日1分見るだけで目がよくなる28のすごい写真
』『眼科専門医が作った貼るだけで目がよくなるすごい写真
』(ともにアスコム)、『日めくり写真で、眼トレ
』『目がよくなる魔法のぬり絵
』『見るだけで目がよくなるガボールパッチ
』(ともに扶桑社刊)など多数。
医師・医学博士。医療法人社団康梓会Y'sサイエンスクリニック広尾統括院長。医学博士。著書・監修書は『目がよくなる魔法のぬり絵』シリーズ、『日めくり まいにち、眼トレ
』シリーズ(ともに扶桑社)など多数。
在宅勤務や自宅で過ごすことが多くなると、ついつい長時間見てしまうのがパソコンやスマホ。そのせいで、目の疲れに悩んでいる人が増加しているようです。
今回は、スマホ老眼を改善する効果が高い「ガポールパッチ・トレーニング」についてご紹介します。
スマホやPCなどデジタル画面を見る機会が増えたことで目の疲れに悩んでいませんか?(※写真はイメージです)
急増するスマホ老眼。改善にうれしい「ガポールパッチ」とは?
そもそも目の構造はカメラのようなもの。レンズに当たるのが「角膜(かくまく)」と「水晶体(すいしょうたい)」です。角膜は半球状の透明な厚い膜で、水晶体は弾力性があって厚みを変えられます。水晶体は厚みが変わるレンズで、ピント調節の要です。
実際には毛様体筋という筋肉がその厚さを調節。つまり毛様体筋が収縮したり、緩んだりしながらピント調節が行われているのです。
しかし、パソコンやスマホを長時間見続けるなど、近くのものばかりを見る生活が増えていくと、毛様体筋がこり固まり、水晶体の厚みの調節をしにくくなります。
また最近は、パソコンやスマホを長時間見続ける生活によって、20代、30代でも目のピント調節をしづらくなる「スマホ老眼」の問題も取り沙汰されています。スマホ老眼は、スマホやタブレットなどを長時間見た後、遠くを見るときに“ピンぼけ”が一時的に起きてしまう現象で、それも毛様体筋のこり固まりが原因といわれています。
●疲れ目改善に最適な「ガボールパッチ・トレーニング」
このような「スマホ老眼」や疲れ目を改善するに最適なのが、「ガボールパッチ・トレーニング」です。
ガボールパッチとは、イギリスの物理学者デニス・ガボール博士が考案した、見た目がぼやけた白と黒の縞模様のこと。視力回復目的で考案されたものではないのですが、弱視に対する効果や、軽度の近視や老眼への効果などの論文が多数発表されています。
このガボールパッチを見ることで、脳で見る力(脳内視力)を高め、視力アップ効果も期待できるのです。
以下のものに1つでも当てはまるようなら、みなさんにもガボールパッチ・トレーニングがおすすめです!
●近くのものを見るとき、少し遠ざけるとよく見える
・活字を読むのがつらい
・小さな文字が見えづらい
・夕方になると見えづらくなる
・視界がぼやけることがある
・スマホや携帯のメールをよく打ち間違える
・メガネ(近視用)を外したほうがよく見える
・1日4時間以上パソコンやスマホを見る
・活字を読むのがつらい
・小さな文字が見えづらい
・夕方になると見えづらくなる
・視界がぼやけることがある
・スマホや携帯のメールをよく打ち間違える
・メガネ(近視用)を外したほうがよく見える
・1日4時間以上パソコンやスマホを見る
なぜガボールパッチが近視やスマホ老眼の改善に有効なのか、眼科専門医の林田康隆先生に教えてもらいました。
「ガボールパッチは、単に白黒の縞模様ではなく、縞模様がぼやけているのでコントラスト(明暗の差)が判別しにくくなっています。空間周波数も異なる(くり返しの数が異なる)ガボールパッチを見分けるトレーニングを続けることで、普段は見えづらいと感じるコントラストを判別する能力が高まるのです(目が疲れていたり、老眼が進んでくるとコントラスト感度は低下します)。
ガボールパッチの組み合わせを探すために視線を動かすと、目の筋肉のこりがほぐれるとともに、目の血流も増えます。目の血流が増えると視神経にも酸素や栄養が行き渡り、視神経の保護にも役立つと考えられます。
また、ゲーム感覚で楽しく行える脳トレ要素も含むので、脳も鍛えられます」
●ガボールパッチ・トレーニングのやり方
ガボールパッチ・トレーニングを自宅でも簡単にできるやり方とポイントをご紹介します。
(1) 同じガボールパッチを探す
(2) 画面は目からスマホは30cm、PCは40cmほど離す(※スマートフォンで見る場合は、画面を横にすると見やすい)
(3) 明るい所で行う
(4) 1日1回3〜10分行う
(5) メガネ(老眼鏡を含む)&コンタクトレンズはつけたままで。途中でまばたきをすることも大切
(6) 最低でも10日間は続ける
それでは、さっそくやってみましょう。
【ガポールパッチトレーニング1】
好きなガボールパッチを1つ選び、それと同じものをすべて探し出します。全部見つけたら、別のガボールパッチを選び、同じようにくり返します。すべての種類のガボールパッチについて行う必要はありませんが、1回につき3〜10分ほど行うとよいでしょう。
画面全体を見るようにたくさん目を動かして行うと、毛様体筋のストレッチになります。目が疲れてきたら、いったん画面から目を外して遠くを見ましょう!
答えはこちら。
同じアルファベットのものが同じパッチと言うことになります。
【ガポールパッチトレーニング2】
遠近感のある写真の上に、ガボールパッチが並んでいます。好きなガボールパッチを1つ選び、それと同じものをすべて探し出します。ガボールパッチを探すだけでなく、地平線と桟橋を交互に見ることでも、ピント調節力をアップさせることができます。
答えはこちら。
「効果には個人差があるので、最低でも10日間は続けて行うのがおすすめです。また、パソコンやスマホを見る時間が長いと、文字を縦に読む機会が減少していきます。目は左右ばかりではなく、上下にもきちんと動かしましょう」と林田先生。
林田先生が監修を務めた『1日1回! 楽しく眺めるだけで目がよくなるガボールパッチ
』(扶桑社刊)には、種類の違う30日分のガボールパッチ・トレーニングが掲載されています。近視、スマホ老眼の改善策として、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。
<取材・文/ESSEonline編集部>
【監修/林田康隆(はやしだ・やすたか)さん】
日本眼科学会認定眼科専門医。医療法人社団康梓会Y'sサイエンスクリニック広尾院長。医学博士・眼科専門医。著書・監修書は『1日1分見るだけで目がよくなる28のすごい写真
』『眼科専門医が作った貼るだけで目がよくなるすごい写真
』(ともにアスコム)、『日めくり写真で、眼トレ
』『目がよくなる魔法のぬり絵
』『見るだけで目がよくなるガボールパッチ
』(ともに扶桑社刊)など多数。
【協力/日比野佐和子(ひびの・さわこ)さん】
医師・医学博士。医療法人社団康梓会Y'sサイエンスクリニック広尾統括院長。医学博士。著書・監修書は『目がよくなる魔法のぬり絵』シリーズ、『日めくり まいにち、眼トレ
』シリーズ(ともに扶桑社)など多数。