REGZA

 レグザが Android TV搭載モデルのソフトウェアアップデートを開始しました。

有機ELのX8900Kシリーズ、液晶のZ670Kシリーズ、Z570Kシリーズ(今秋発売)では、高精細で滑らかな表示の4K 120Hz入力、入力フレームレートにあわせて可変するバリアブルリフレッシュレート(VRR)に対応。最新世代ゲーム機 PlayStation 5 や Xbox Series X|S の性能をフルに活かせるようになります。

4K 120P (120Hz)入力対応は、3840 x 2160 の4K解像度で秒間120コマの映像信号を表示する機能。PS5 / Xbox Series X|Sでは、アクションゲームを中心に120fps対応のタイトルが増えつつあります。

入力信号や表示としては120Hzに対応していても、遅延がひどくては持ち腐れですが、レグザは4K 120HzやVRR時でも入力遅延が最小0.83msと少ないことを売りとしています。

VRRも大事

ある意味もっと重要なVRR (Variable Refresh Rate, 可変リフレッシュレート)は、ゲーム機などの信号にあわせて画面の書き換えタイミングを変化させる機能。

従来の60Hzリフレッシュレートのテレビは、一秒間に最大60回まで任意のタイミングで画面を書き換えられるわけではなく、固定で60回/秒、1000 / 60 で16.66...ミリ秒ごとの決まったタイミングでしか書き換えられません。

30fpsのゲームは2コマごとに、60fpsのゲームは1コマごとに書き換えれば均等なタイミングで滑らかな動きに見えますが、その中間のフレームレートでは2コマ連続で同じ絵の場合と1コマで書き換わる場合が不均等に発生するため、動きのカクつき(ジャダー)やチラつきとして認知されてしまいます。

例:画面A、画面B、画面C...が順に出力されるとして、一文字を1/60秒とすると、

60fps: ABCDEF...と毎回60Hzで書き換わる
30fps: AABBCC...と2コマごとに次の画になる
40fps: ABBCDD...と、1コマ書き換えと2コマ連続の場合が混在する

家庭用ゲーム機ではほとんどのゲームが30fpsか一気に倍の60fpsになっていて、45fps固定や50fpsターゲットがなかったのはこうした理由です。

VRR対応テレビの場合、50fpsや45fpsといった「半端な」フレームレートでもあわせたタイミングで画面を書き換えられるため、ゲーム機本来の最大性能を、不均等なカクつきなしに表示できます。120Hz対応テレビで、60fps以上の「半端な」フレームレートの場合も同様です。

Engadget / Microsoft

実際の例として、Xbox Series X|S のマイクロソフト フライトシミュレーターでは、VRR非対応テレビの場合は30fps固定、VRR対応テレビならば負荷に応じて30fps〜60fps描画。

都市の低空飛行など負荷が高い場面では30fps近くになる一方、高度を上げれば状況により60fps近くまで滑らかになります。一方VRR非対応テレビの場合、どの状況でも30fps固定のまま。

ゲーミングPC用の高価なGPUでは、10%や20%の性能差が数万円の価格差になることもありますが、VRR非対応テレビでは、少数の120fps対応ゲーム以外でも、最新世代ゲーム機のグラフィック性能をフルに表示できず、数十%を捨てる可能性があることになります。

PS5は今後のアップデートでVRRに対応予定。しかし販売中のゲームでも、たとえばPS5専用の『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』では、「120Hz対応テレビでだけ選べる40fpsモード」をアップデートで追加しています。

Engadget / Insomniac

これは高解像度かつレイトレーシングなどを駆使した最高グラフィック設定で、PS5の実力としては40fpsが出せるものの、60Hz固定のテレビでは上記の理由でカクついてしまうため、上限を30fpsに制限しているモード。

しかし120Hz対応テレビならば、120割る40で3コマごとに次の画を表示すれば均等に、カクつきのない40fpsを表示できるため、一見不思議な「120Hzテレビ限定の40fpsモード」が用意されたという経緯です。半端な数字のようですが、最高グラフィック設定のまま、テレビを変えれば実質的に33%滑らかになります。

最新世代ゲーム機のためのテレビ選びでキーワードになる「4K120Hz / VRR」については、「いや120Hz対応ゲームなんてごく少数の対戦fpsくらいだし、あまり遊ばないから要らないかな」と思うかもしれませんが、実際は上記のように、競技的な対戦ゲーム以外でも映像の滑らかさや快適さで大きな差になる場合が増えつつあります。

レグザのアップデートに話を戻すと、LAN経由でタイムシフトマシン(全録)対応レグザやレコーダーに接続した場合、「過去番組表」から快適に番組を探して再生できるようになります。(X8900Kシリーズ、Z670Kシリーズ、Z570Kシリーズ、M550Kシリーズ)。

レグザはLAN経由で他のレグザの録画番組を再生できる機能を以前から備えていますが、従来は相手がタイムシフトマシン搭載レグザであっても、他のDLNA / DTCP-IP対応サーバと同様に、フォルダを日付別やチャンネル別で掘って番組を探す必要がありました。

アップデート後は「過去番組表」から一覧して選ぶ、ネイティブのタイムシフトマシン搭載レグザに近いインターフェースになります。

また再生時に「シーンリスト」の表示にも対応。シーンリストは番組の目次のようなもので、ニュース番組なら特定の話題に、バラエティ番組ならば特定のコーナーや出演者など、一覧をブラウズしてすぐ飛んで観られます。

そのほかのアップデート内容は、Netflix跡地こと「My.Choice」ボタンに特定の外部機器やネット動画サービスをアサインして1ボタンで呼べるようになること、X8900K と X670K については輝度アップ・高コントラスト化など。

ソフトウェアアップデートは、設定を変更していなければ放送波で勝手に、またはインターネット経由で勝手にダウンロードされるはずです。自動更新オフでも、更新通知がオンならば電源をつけたタイミングでソフトウェアアップデートのポップアップが表示されます。手動の場合は設定から。

レグザZ570K発表。4K120P・VRR対応で約12万円からのゲーミング仕様テレビ

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