大雨被害にあった広島県内の被災地では収穫直前の野菜にも影響が出ています。

安芸高田市甲田町にある市ケ原農産では、降り続いた大雨によって約8万株のチンゲン菜ほぼすべてが浸水する被害に遭いました。

ビニールハウスから水が引いた21日、出荷できなくなった農作物を肥料として使うため、土と一緒に耕す「すきこみ」と呼ばれる作業を行いました。

農家・住川渉さん

「今から収穫して出荷する直前でした。もう言葉が出ない。今までやってきたことがすべて無駄になるので」

今回の大雨によって甲田地区全体で約20haの農地が被害をうけたということです。

また、安芸高田市の被災地では約50人のボランティアが住宅に流れ込んだ土砂などを取り除く作業を手伝いました。

浸水被害にあった住民

「みんなの力で一つ一つ希望が湧いたので本当にありがたいことです」

一方、大量の濁流と土砂が押し寄せた広島市西区田方では朝から重機などを使って、土砂などの撤去作業が行われていました。

現場には地盤工学や砂防学の専門家が調査に訪れ土砂の量や範囲などを調べました。

広島工業大学 環境土木工学科 森脇武夫 教授

「まだ上の方に土砂が渓流にたい積しているのでもっと大きな強い雨が降ればそれが流れ出る恐れは十分にある。」

専門家は今後、土砂崩れが起きた原因についても調査していくということです。