内田理央『来世ではちゃんとします2』奔放女性がしがちな “婚活市場の勘違い” が判明
『来世ではちゃんとします2』(テレビ東京系)の第1話、婚活においてガチで反面教師として優秀なドラマだと思った。
2020年1月期に放送され好評だった、内田理央主演のラブコメ『来世ではちゃんとします』。その続編が先週水曜の深夜からスタートした。内田が演じる主人公・大森桃江は5人のセフレがいる “性依存系” 女子で、今回の『2』でもその5人をまわしているのは変わらず。
本作が人気を博した一因は、ヤリマン役なのにかわいさや清潔感を損なっていない内田の演技にある。男性には夢を与え、女性からは共感を得られる絶妙なラインで演じている。
実は筆者が本作を観てみようと思ったきっかけは、性依存気味のとある20代OLの友人からおすすめされたからだ。その友人が内田演じる主人公にめちゃくちゃ共感していたので、興味を抱いたのである。
そこで今回は、恋愛カウンセラー視点で、『来世ではちゃんとします2』第1話でどのようなことが学べるか、お伝えしたい。
■自分をモテ男と同ランクだと勘違いする婚活女性
主人公・桃江は5人のセフレとの充実した性生活を送りながらも、結婚への焦りを感じて婚活パーティーに参加。桃江の席にローテーションでさまざまな男性が現れるが、そのほとんどの男性に興味を持てずにいた。
確かに、婚活パーティーに参加していた男性のほとんどは、誠実でいい人そうだが、どこか冴えなかったり、性格がちょっと変わっていたりするタイプばかり。目の前の男性に愛想笑いを浮かべる桃江は、「ふだん顔や稼ぎのいいセフレと好き放題セックスしてるから、知らない間に好みのハードルが高くなっていた〜!」と心の声で絶叫するのだった。
この桃江の心の叫びこそ、恋愛分析や恋愛相談を生業にしている筆者からすると真理なのだが、これに気づいていない婚活女性は世の中にたくさんいる。桃江は自ら気づくことができたが、自分も当てはまっているはずなのに、自覚できていない婚活女性はけっこういるんじゃないだろうか。おそらく、第1話を観てこの桃江の叫びを聞いても、自分が該当していると気づかない女性は多いに違いない。
要するに、年収もそこそこで誠実そうな “いい人” にときめかず、“どうでもいい人” に分類してしまう現象なのだが、これは女性が婚活市場で自身の市場価値を過大評価している場合によく起こるもの。
市場価値を見誤るのは、往々にして女性である場合が多い。残酷なようだが、婚活市場には価値ごとにランクがあるのが現実。仮にA・B・Cの3段階があるとしたら、当然、同じランク同士の男女のマッチングが適正だ。だからBランクの女性はBランクの男性を婚活対象にするのが適正なのだが、自分をAランクと見誤ってAランクの男性ばかり狙い、Bランクの男性を眼中に入れないケースがある。
もちろんBランク男性が自分をAランクと勘違いしてAランク女性ばかり狙うということも起こりうるが、この勘違い現象は圧倒的に女性のほうが多い。それは、Bランク女性がそれまでの恋愛でAランク男性に遊ばれていただけにもかかわらず、自分はAランク男性と対等に恋愛できるAランクと勘違いしてしまうケースがあるからだ。
チャラいモテ男のAランク男性が、性行為目的や気まぐれの暇つぶしでBランク女性を口説くのはよくあること。そんなAランク男性は、口説く際、表面的にはBランク女性をまるで自分と対等かのように扱い、もてなす。こうしてBランク女性はAランク男性にカラダを許し、その後、飽きられたら捨てられるのだが、そのBランク女性には「Aランク男性に対等に扱われた」という事実と記憶が残ってしまうわけだ。
念のため説明しておくと、チャラいAランク女性がいたとしても、その遊び対象は同じAランク男性であることがほとんど。Aランク女性が性欲解消目的でBランク男性とカラダを重ねるケースはごくごく稀なため、男性がこのパターンで自身を過大評価することはほぼない。
桃江は自分で気づけたのでまだマシだったと言えるだろう。Bランク女性が、モテ男と短い期間で終わってしまうような奔放な恋愛を繰り返していると、いざ本気で婚活しようとしたとき、自分への過大評価を発動してしまい、勘違いの自覚がないまま「なぜか婚活がうまくいかない」という悩みに陥るのだ。
――このような恋愛の真理が学べる『来世ではちゃんとします2』。今夜放送の第2話でも、ためになる気づきが得られるだろうか。期待したい。
●堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中