原爆投下後に降った「黒い雨」を巡る裁判で原告全員を被爆者とする広島高裁の判決が確定しました。

7月29日午前0時に上告期限を迎えた広島高裁の判決について、菅総理大臣は26日に上告断念を表明し、27日には同じような事情にあった人々についても救済できるよう早急に対応を検討するという談話を閣議決定していました。

6年前に始まったこの裁判は、国が定めた援護区域の外で「黒い雨」を浴び健康被害が出たとして、住民らが広島県や広島市を相手に被爆者手帳の交付などを求めていたものです。

14日に行われた控訴審で広島高裁の西井和徒裁判長は1審の広島地裁の判決を支持し、「黒い雨」が降った地域の拡大を認め、「原告はいずれも原爆の投下後の黒い雨に遭ったと認められる」などとして原告全員に被爆者手帳を交付するよう命じていました。