原爆投下後に降った「黒い雨」を巡る裁判で、26日菅総理は国側として上告を断念すると表明しました。

菅総理大臣「上告についてはしないことといたしました。原告の皆さんには被爆者手帳を交付させていただきたい」

「黒い雨」の裁判をめぐっては、広島高裁の控訴審判決で1審に続き原告側が全面勝訴していました。

被告となっている県と広島市は、国に上告断念を求めたものの、国は23日「高裁判決は被爆者援護法の枠組みを大きく壊すもの」として上告するよう要請していました。

菅総理大臣は直ちに被爆者手帳を交付するとした上で、同様の被害を受けた人に対し救済措置を検討するとしています。

これを受け、湯崎英彦知事と広島市の松井一実市長は

湯崎知事「長年にわたる辛い思い、苦しい思い、本当にずっと不安な思い、これに本当に思いを寄せていただいた痛みを理解していただいた、そういうご判断だと思いますので、心から感謝を申し上げたいと思っています」

松井市長「すべてを受け止めて熟慮に熟慮を重ねたという総理のお言葉にあると思うんですけど、関係者の方々の考えなり事務方の判断をしっかり咀嚼(そしゃく)しての大英断をしていただいたと思っております。本当に感謝申し上げる」