「朝にチョコレートを食べる」と聞くと、体重を増加させる健康に悪影響なことだと思うはず。しかしムルシア大学のテレサ・エルナンデス・ゴンザレス氏らが行った実験により、朝にチョコレートを食べることは必ずしも悪いことではないということが明らかになりました。

Timing of chocolate intake affects hunger, substrate oxidation, and microbiota: A randomized controlled trial - Hernández‐González - 2021 - The FASEB Journal - Wiley Online Library

https://faseb.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1096/fj.202002770RR



Eating chocolate in the morning 'could help burn body fat'

https://uk.sports.yahoo.com/news/eating-chocolate-in-the-morning-could-help-burn-body-fat-201042007.html

実験は19人の参加者らを対象に行われました。参加者らは1週間かけて体重や食事内容、だ液などを調査された後、ココア18.1g、脂肪分58.4gといった成分の計100gのミルクチョコレートを起床後1時間以内に食べるか、就寝前1時間以内に食べるか、あるいはチョコを食べないということを2週間にわたりランダムに繰り返しました。

間接熱量測定法などにより参加者らから得られた2週間分のデータによると、チョコレートを食べなかった場合に比べ、起床後にチョコレートを食べた場合は脂肪がより燃焼され、空腹時の血糖値を抑えることが分かったとのこと。また、就寝前にチョコレートを食べた場合は腸内細菌叢に変化が見られ、空腹感が満たされることも分かったとのことです。



実験を通して参加者らの体重に変化はなかったものの、テレサ氏らは「摂取したチョコレートのカロリーから計算すると900gほど増加していなけらばならない」と考察。エネルギーの摂取量と消費量を改めて調査した結果、チョコレートの成分が原因とみられる食欲の減少が見られ、チョコレートを食べた場合は食事外のお菓子などから得られる余分なカロリーが16%減少していたことが分かったとのこと。

テレサ氏らは今回の実験により、チョコレートをいつ摂取するかによってエネルギー摂取量や代謝にどう影響を与えるのかが変わる可能性があるという結果を得ました。今回の実験の参加者は特にミルクチョコレートによる体重増減の影響を受けやすいという研究がある閉経後の女性に限定されていたため、テレサ氏らは「男性と若い女性でも同様に研究を行う必要がある」と記しています。