中田翔選手(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

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プロ野球・日本ハムの中田翔が試練のシーズンを送っている。

今季は開幕から調子が上がらず、開幕から17試合で本塁打なし。たまっていたストレスが爆発したのが4月7日のソフトバンク戦(札幌ドーム)だった。

打率.193、4本塁打の寂しい成績

中田は5回の三振後にベンチでバットをたたき割ると、ベンチ裏で転倒。翌日に負傷した右目付近を紫色に大きく腫らした姿でグラウンドに現れた。

その後も打撃不振で4番を剥奪され、打順が転々とする。5月16日のソフトバンク戦(札幌ドーム)で体調不良を理由に欠場すると、翌17日に登録抹消された。

2週間以上のファーム調整を経て、6月4日に再昇格。気持ち新たに巻き返しを誓ったが、復帰4戦目に悲劇に襲われる。8日の阪神戦(札幌ドーム)で3回に内野ゴロを打って一塁へ全力疾走した際に、苦悶の表情を浮かべて倒れ込んだ。

担架で運ばれる負傷交代で球場は騒然とした雰囲気に。急性腰痛で翌9日に再び登録抹消された。

昨季は自己最多の31本塁打をマークし、108打点で3度目の打点王を獲得。4番の存在感を示したが、今季は15日現在で打率.193、4本塁打、13打点と寂しい数字が並ぶ。

大幅減俸での残留が濃厚?

不振の中田をめぐっては、他球団への「トレード説」が飛び交う。チームは最下位に低迷し、中田が3億4000万円の高年俸であることを考えると、他球団に放出して大幅な若返りを図る断行する可能性がある。

打点王を3度獲得し、一塁の守備は「球界屈指」の呼び声が高い。他球団からの需要はあるように感じるが、スポーツ紙デスクはシビアな見方をする。

「確かに実績十分の成績ですが、スランプに入ると長い。ベンチでもピリピリした雰囲気で他の選手を寄せ付けない感じを見ると、若手の手本になるタイプでもない。他球団の編成の話を聞いている限り、トレードは厳しいと思います。今オフに大幅減俸で日本ハムに残るのが現実的ではないでしょうか」

中田不在の間に、代役の一塁で起用されている高濱裕仁は13日現在で打率.310、2本塁打の好成績をマーク。ファームには伸び悩む清宮幸太郎もいる。

32歳の主砲は再び信頼を取り戻せるか。まだベテランと呼ばれる年ではない。チームは最下位に低迷するが、リハビリからの1軍復帰を目指す中田にとっては野球人生を左右する大事な日々になりそうだ。