外出時に最適、ガジェットを細かく分類して持ち歩きたい人のための収納ポーチ
ITライター・山口真弘の気になるグッズラボ
〜ハンズエイド「PowerPacker」レビュー
2021年05月25日
TEXT:山口真弘(ITライター)
外出先で作業をするためにたびたびノートPCなどを持ち出していると、ACアダプタやマウスなど、持ち出しのたびに必須なモノがだんだんと分かってきます。これらを予めひとつのポーチにまとめておけば、いつでもすばやく持ち出せるので便利です。
今回紹介する「PowerPacker」はこうした用途にぴったりの、フランスのクリエイターが手掛けたガジェット収納ポーチです。メーカーからサンプルを借用したので、早速試してみました。
内部に何も収納していなくとも立体形状を保持するしっかりとした構造です
全長は30cm弱とかなりのロングサイズ。中央の柄はバリエーションがあります
一般的に、こうした小物入れのポーチは、2つのタイプに分けられます。ひとつは、ポケットの数を控えめにして、多くのモノを入れられるタイプ。もうひとつは、収容量はそれほど多くないものの、中で細かく分類して収納することで、どこに何が入っているかすぐに把握できるタイプです。
今回の「PowerPacker」は典型的な後者で、細かく分けられたスペースの決まった位置に、モノをひとつずつセットしていくことで、入れ忘れを防ぐ効果があります。出したままうっかり元に戻すのを忘れても、何が足りないのかすぐに気付けるというわけです。
その一方で、どこに何を入れるかをしっかり決めて収納することになるため、アドリブが効きにくく、また大雑把に入れるタイプと比べると、収容できるモノの点数も限られてしまいます。
モノの配置をしっかりと把握できるのであればこの上なく便利ですが、中に入れるモノが頻繁に変わったり、あるいは利用する間隔が長く空いてしまい、どこに何が入っているか分からなくなるような使い方には、あまり向かないと言えます。
表側と裏側、それぞれが独立した構造。いずれもファスナーで開閉します
表側はパーティションで2層に分かれています。モノの固定にはゴムバンドを使用
では構造を見ていきましょう。収納スペースは、表と裏、それぞれに用意されています。表側はパーティションで2層に仕切られており、ゴムバンドを使ってガジェットを固定する仕組みになっています。メッシュのポケットもありますので、メモリカードなどの小物も入れられます。
もっとも厚みにあまり余裕はないため、マウスなど体積のあるガジェットを強引に収納すると、2層の反対側には何も収納できなくなってしまいます。2層それぞれにモノを入れる前提であれば、モノの厚みは1cm程度におさえておいたほうがよいでしょう。
いっぽうの裏側はポケット構造で、モバイルバッテリーやポータブルHDDなど、一定の厚みおよび体積があるモノを入れるのに適しています。表側からは独立しているので、表側がぎゅうぎゅう詰めになっていても、出し入れへの影響はほとんどありません。
ゴムバンドを使って固定します。バンドの位置や締め付けの強さは変更できません
パーティションの裏にはメモリカードなどを収納できるメッシュポケットもあります
裏側はポケット式で、モバイルバッテリーやポータブルHDDなどの収納に適します
今回収納したモノ一覧。外出時に必要なモノを一手にまとめられます
ところでこの製品、国内大手アクセサリメーカーが企画、制作した製品とは、大きく異なる特徴がいくつかあります。
ひとつは、側面のジッパーが片開きであることです。ジッパーは両開きのほうが、最小限開けるだけでモノを取り出せて便利ですが、本製品は片開きなので、毎回ほぼ全体を開かなくてはいけません。開閉の頻度が高いと、やや不便さを感じます。
もうひとつは、アイテムを固定するためのバンドです。大手メーカーの製品は、ゴムバンド以外に大型のポケットがあったりと、固定および収納の方法が複数用意されているのですが、本製品の場合、例えば表側は1箇所のメッシュポケットを除いてすべてゴムバンドで、締め付けの調整もできません。
そのため、固定したいモノによってはバンドがきつすぎたり、あるいはぶかぶかになってしまうことがよくあります。マジックテープ(面ファスナー)などで締め付けを調整できるようにするか、あるいは予め複数の固定方法が用意されていれば、融通が効いてよかったのではないかと思います。
一方で面白いのは、表裏の柄がプリントされている部分は、スウェット素材になっており、中に入る荷物に合わせて伸縮できることです。そのため、突起があるアイテムであっても、この面に合わせてセットしてやれば、問題なく収納できます。本製品ならではのこだわりの工夫です。
本製品のジッパー。片開きなので反対側まで一周させないとモノが取り出せません
両開きのジッパーを採用した同種製品だと、任意の部分だけ開けてモノを取り出せます
本製品のバンドはどれも長さが固定なので、融通が効かないこともしばしばです
同種製品によくある面ファスナーで締め付けを調整する仕組みは本製品にはありません
柄のある部分は伸縮可能な素材でできているため、この写真のように突起があるモノを強引に収納することもできてしまいます
以上のように、やや使い方を選ぶ製品という印象ですが、決まったモノが決まった位置にぴたりとセットされていないと気が済まない人にとっては、ツボにはまるであろう逸品です。コスト優先でペラペラの素材を採用した大手メーカーの製品と異なり、しっかりとした立体構造で、縫製も丁寧なのは利点です。
用途としては、毎回使うとは限らないモノを、整理して収納しておくのに向いた製品といえます。毎回すべてを取り出すのであれば、分類せずにまとめて放り込み、まとめて取り出したほうが効率がよいからです。必要なモノを必要な時だけ取り出せることにこそ、本製品の価値があると考えたほうがよいでしょう。
ちなみに今回紹介したのは、TOKYOロゴが入った限定モデルですが、ほかにもボルドーやデニム、さらにはカムフラージュ柄などもバリエーション展開されています。いずれも3年という長期保証がつきますので、興味のある人はリンク先のページでチェックしてみてください。
製品名:PowerPacker
実売価格:5,980円
発売元:ハンズエイド
[筆者プロフィール]
山口 真弘(やまぐち まさひろ)
ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など。Twitter:@kizuki_jpn
〜ハンズエイド「PowerPacker」レビュー
2021年05月25日
TEXT:山口真弘(ITライター)
外出先で作業をするためにたびたびノートPCなどを持ち出していると、ACアダプタやマウスなど、持ち出しのたびに必須なモノがだんだんと分かってきます。これらを予めひとつのポーチにまとめておけば、いつでもすばやく持ち出せるので便利です。
内部に何も収納していなくとも立体形状を保持するしっかりとした構造です
全長は30cm弱とかなりのロングサイズ。中央の柄はバリエーションがあります
一般的に、こうした小物入れのポーチは、2つのタイプに分けられます。ひとつは、ポケットの数を控えめにして、多くのモノを入れられるタイプ。もうひとつは、収容量はそれほど多くないものの、中で細かく分類して収納することで、どこに何が入っているかすぐに把握できるタイプです。
今回の「PowerPacker」は典型的な後者で、細かく分けられたスペースの決まった位置に、モノをひとつずつセットしていくことで、入れ忘れを防ぐ効果があります。出したままうっかり元に戻すのを忘れても、何が足りないのかすぐに気付けるというわけです。
その一方で、どこに何を入れるかをしっかり決めて収納することになるため、アドリブが効きにくく、また大雑把に入れるタイプと比べると、収容できるモノの点数も限られてしまいます。
モノの配置をしっかりと把握できるのであればこの上なく便利ですが、中に入れるモノが頻繁に変わったり、あるいは利用する間隔が長く空いてしまい、どこに何が入っているか分からなくなるような使い方には、あまり向かないと言えます。
表側と裏側、それぞれが独立した構造。いずれもファスナーで開閉します
表側はパーティションで2層に分かれています。モノの固定にはゴムバンドを使用
では構造を見ていきましょう。収納スペースは、表と裏、それぞれに用意されています。表側はパーティションで2層に仕切られており、ゴムバンドを使ってガジェットを固定する仕組みになっています。メッシュのポケットもありますので、メモリカードなどの小物も入れられます。
もっとも厚みにあまり余裕はないため、マウスなど体積のあるガジェットを強引に収納すると、2層の反対側には何も収納できなくなってしまいます。2層それぞれにモノを入れる前提であれば、モノの厚みは1cm程度におさえておいたほうがよいでしょう。
いっぽうの裏側はポケット構造で、モバイルバッテリーやポータブルHDDなど、一定の厚みおよび体積があるモノを入れるのに適しています。表側からは独立しているので、表側がぎゅうぎゅう詰めになっていても、出し入れへの影響はほとんどありません。
ゴムバンドを使って固定します。バンドの位置や締め付けの強さは変更できません
パーティションの裏にはメモリカードなどを収納できるメッシュポケットもあります
裏側はポケット式で、モバイルバッテリーやポータブルHDDなどの収納に適します
今回収納したモノ一覧。外出時に必要なモノを一手にまとめられます
ところでこの製品、国内大手アクセサリメーカーが企画、制作した製品とは、大きく異なる特徴がいくつかあります。
ひとつは、側面のジッパーが片開きであることです。ジッパーは両開きのほうが、最小限開けるだけでモノを取り出せて便利ですが、本製品は片開きなので、毎回ほぼ全体を開かなくてはいけません。開閉の頻度が高いと、やや不便さを感じます。
もうひとつは、アイテムを固定するためのバンドです。大手メーカーの製品は、ゴムバンド以外に大型のポケットがあったりと、固定および収納の方法が複数用意されているのですが、本製品の場合、例えば表側は1箇所のメッシュポケットを除いてすべてゴムバンドで、締め付けの調整もできません。
そのため、固定したいモノによってはバンドがきつすぎたり、あるいはぶかぶかになってしまうことがよくあります。マジックテープ(面ファスナー)などで締め付けを調整できるようにするか、あるいは予め複数の固定方法が用意されていれば、融通が効いてよかったのではないかと思います。
一方で面白いのは、表裏の柄がプリントされている部分は、スウェット素材になっており、中に入る荷物に合わせて伸縮できることです。そのため、突起があるアイテムであっても、この面に合わせてセットしてやれば、問題なく収納できます。本製品ならではのこだわりの工夫です。
本製品のジッパー。片開きなので反対側まで一周させないとモノが取り出せません
両開きのジッパーを採用した同種製品だと、任意の部分だけ開けてモノを取り出せます
本製品のバンドはどれも長さが固定なので、融通が効かないこともしばしばです
同種製品によくある面ファスナーで締め付けを調整する仕組みは本製品にはありません
柄のある部分は伸縮可能な素材でできているため、この写真のように突起があるモノを強引に収納することもできてしまいます
以上のように、やや使い方を選ぶ製品という印象ですが、決まったモノが決まった位置にぴたりとセットされていないと気が済まない人にとっては、ツボにはまるであろう逸品です。コスト優先でペラペラの素材を採用した大手メーカーの製品と異なり、しっかりとした立体構造で、縫製も丁寧なのは利点です。
用途としては、毎回使うとは限らないモノを、整理して収納しておくのに向いた製品といえます。毎回すべてを取り出すのであれば、分類せずにまとめて放り込み、まとめて取り出したほうが効率がよいからです。必要なモノを必要な時だけ取り出せることにこそ、本製品の価値があると考えたほうがよいでしょう。
ちなみに今回紹介したのは、TOKYOロゴが入った限定モデルですが、ほかにもボルドーやデニム、さらにはカムフラージュ柄などもバリエーション展開されています。いずれも3年という長期保証がつきますので、興味のある人はリンク先のページでチェックしてみてください。
製品名:PowerPacker
実売価格:5,980円
発売元:ハンズエイド
[筆者プロフィール]
山口 真弘(やまぐち まさひろ)
ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など。Twitter:@kizuki_jpn