iPhone 12で5Gを一気に普及させる! 「au 5Gエクスペリエンス」が創り出す新たな5G通信時代

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●5Gの推進剤としての「auワイド学割」
KDDIおよび沖縄セルラー電話は10月16日、「au新サービス発表会」を開催し、29歳以下を対象とした「auワイド学割」を発表しました。

またiPhone 12シリーズの発売に伴い、関連する料金プランやサービスも併せて紹介。
iPhone 12が5Gに対応したことから、端末と料金プラン、そして通信環境の3つを判別してネットワーク制御を行う「au 5Gエクスペリエンス」についても解説・紹介しました。


KDDI 代表取締役社長 郄橋誠氏


壇上で発表を行ったKDDI 代表取締役社長の郄橋誠氏は、同社が提供する5G向け料金プランである、
・データMAX 5G
・データMAX 5G Netflixパック
・データMAX 5G テレビパック
・データMAX 5G ALLSTARパック
これらの料金プランが「若者世代を中心に圧倒的な支持を得ている」と語り、同社の主戦力である点を強く強調。
その上で「このサービスや料金はいいぞ、と若者たちにクローズアップして頂きたい」と語り、さらなる強化策として今回のauワイド学割を発表しました。

auワイド学割は、29歳以下のユーザーの月額料金を最大6ヶ月間、最大1,600円割り引くというもの。
対象となるプランは以下の通りです。

・データMAX 5G
・データMAX 5G Netflixパック
・データMAX 5G テレビパック
・データMAX 5G ALLSTARパック
・データMAX 4G LTE
・データMAX 4G LTE Netflixパック
・データMAX 4G LTE テレビパック

4G向けプランも対象となっていますが、2020年秋冬モデルとしてラインナップされたスマートフォンはすべて5G対応であり、先日発売されたアップルのiPhone 12シリーズも5Gに対応しました。
こうした背景を追い風に、KDDIとしては5G対応プランを強く推進する施策を本格展開する目的と見て良いでしょう。


料金プランのお得さをアピールする郄橋社長



●端末と料金とエリアによる通信の最適化「au 5Gエクスペリエンス」
そして今回の発表会で注目すべきは、データ通信の容量制限がない「データMAX 5G」およびその派生プランを最大限に活かすために導入された仕組みの「au 5Gエクスペリエンス」です。

au 5Gエクスペリエンスは、
・端末がiPhone 12シリーズなどの5G対応スマートフォンであるか
・5Gに対応した契約プランを利用しているか
・上記の料金プランを利用中の端末が5Gエリアに存在するか
こういったものをネットワーク側が自動で判別し、通信を自動で最適化するというものです。

au 5Gエクスペリエンスがユーザーに与える最大のメリットは、通信エリアを気にすることなく常に最高の通信環境を得られるという点です。


ユーザーに最高の通信環境を提供するau 5Gエクスペリエンス


iPhone 12シリーズには「スマートデータモード」と呼ばれる省電力技術が採用されています。
これは端末側が5Gエリアなのか、4Gエリアなのかを自動で判別し、通信速度を自動で最適化するとともに、通信に必要な電力消費を抑えてバッテリー持続時間を延ばすという技術です。

これによってiPhone 12シリーズは、従来機種(iPhone 11シリーズ)よりも各セグメントの端末でそれぞれバッテリー容量が若干少なくなっている上、消費電力の大きな5G通信に対応したにもかかわらず、
従来機種と同等のバッテリー持続時間を実現しています。

au 5GエクスペリエンスはこのiPhoneの技術を活かし、さらにユーザーが契約する料金プランなども参照しながら、シームレスに4G通信と5G通信をつなぎます。

この仕組みではiPhone 12のスマートデータモードという技術を活用しているため、現在は5G対応Androidスマートフォンでは利用できませんが、今後実現できるよう様々に検討していくと語っています。


高度で精細な通信制御がモバイル環境を快適にする



●iPhone 12シリーズによって普及と飛躍を狙う5G
KDDIは5G通信の魅力を最大限に活かすため、
・「auビデオパス」として提供していたサービスを「TELASA」(テラサ)にリニューアルし内容を拡充
・縦画面で短時間動画に特化した動画配信サービス「smash.」の開始
・各動画配信サービスとの連携を強化
このような形で、次々に大容量通信を生かしたサービスの提供を開始しています(smash.は12月以降対応予定)。

5G対応基地局の整備についても、
・2020年度末までに約1万局を予定
・2021年度末までに約5万局を予定(人口カバー率90%)
このように計画しています。

また利用する電波の周波数帯についても、新規で割り当てられた3.7GHz帯などだけではなく、
4Gで使われていた既存の周波数帯も活用しながらエリア拡大を急ぐ計画です。

まだまだエリアが狭く、使いづらい印象のある5Gですが、
iPhone 12の発売によってその普及に弾みをつけたいというのが通信各社の狙いです。
KDDIも例外ではなく、むしろiPhoneとの連携を強化した、快適な通信環境を構築しようとしています。

端末と料金施策と通信エリア。
これからの通信は、これらが独立した施策としてではなく、すべてが強く連携した新次元の快適さをユーザーへ提供する時代へと変革しようとしています。


執筆 秋吉 健