最新ハードやソーシャルの側面など、識者が「ゲーム業界の最新トレンド」を語る
TOKYO GAME SHOW 2020 ONLINE(TGS2020)の公式番組が9月24日に開幕した。9月25日に行われた専門セッション「2021年に向けたゲーム業界最新技術トレンド」では、ゲームジャーナリストの新清士氏、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンの簗瀬洋平氏、テクニカルジャーナリストの西川善司氏を招き、新型ハードウエア、VRの新デバイス、クラウドサービスなど、ゲーム業界をけん引するさまざまな最新技術トレンドについて、議論を交わした。
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「2021年に向けたゲーム業界最新技術トレンド」
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左からユニティ・テクノロジーズ・ジャパンの簗瀬洋平氏、テクニカルジャーナリストの西川善司氏、ゲームジャーナリストの新清士氏、モデレーターの日経BP 東将大氏
セッションではまず、2020年に発売予定の新型コンシューマー機「PlayStation 5」と「Xbox Series X/S」について言及。主なスペックを比較しながら、西川氏は「すべてのモデルで、AMDの最新型タイプのCPUとGPUを採用していますね。ただし、SSD周りについて、PS5とXboxではバスの接続が違います。PS5がデータ伝送路が4レーンある一方、Xboxは2レーンながら、外付け用が2レーンある。PS5は外付けのストレージの制約がありますが、その代わりに最大速度性能を追求。Xboxは汎用性を高めたという違いがあるでしょう」と注目ポイントを紹介する。
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「PlayStation 5」と「Xbox Series X/S」のスペック比較
サウンド面では、PS5が「Tempest 3Dオーディオシステム」を採用する一方で、Xboxは「Dolby True HD with Atmos」に対応。さらに、Xboxでは「Project Acoustics」と呼ばれる、音の方向だけでなく、ゲーム内に存在する遮蔽物などを考慮した音をユーザーに届けてくれるシステムの搭載を予定している。
これについて「おもしろいのは、マイクロソフトが、Project AcousticsをAndroidやPlayStationでも使っていいと言っていること。そのあたりのシナジー効果が出てくることにも期待したいですね」と、西川氏は話す。
どのモデルも、ゲーミングPC顔負けのハイスペックな仕様であることは間違いないが、どちらを買うかという問いについては、スペックだけを見るのではでなく、「プレイしたいゲームが出るかどうかに限る」と西川氏。「スペックについて話すのは楽しいですが、大事なのは、何が遊べるか、何を遊びたいか。遊びたいゲームが出れば、どちらが先かはわかりませんが、コアゲーマーは、どちらも買うでしょうね。ちなみに、私はPS5のコントローラーと充電器だけはゲットしました。本体が手に入らなければ、年内は充電して楽しみます」と話していた。
新氏は「注目しているのはビジネスモデル。どれも想定を大きく下回る攻撃的な価格であるため、『PS Now』『XBOX GAME PASS』といった定額課金システムへのシフト、サービス面の競争が始まるでしょう」と、価格面から、両社の目指すサブスク型のゲームシーンを予想。Xbox Series Sの国内販売価格を、当初発表価格から3,000円値下げして29,980円(以下、すべて税別)にしたこともあり、サブスク型を考えているからこそ、値段を下げてでもハードを普及させることを優先したのだろうと考えた。
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Xbox Series Sは予約開始直前に3,000円の値下げを発表
続いて話題は、次世代ハードの性能からVRへ。先日発表されたスタンドアローン型VRヘッドマウントディスプレイ「Oculus Quest 2」は、前モデルと比較して、全体的にスペックが向上しているにもかかわらず、64GBモデルが33,800円、256GBモデルが44,800円と価格は大幅に下がっている。価格帯的には「PlayStation 5」「Xbox Series X/S」とほぼ同じだ。
新氏は「初代Oculusと比較して、性能面では全体的に1.5倍ほど向上しているのに、この値段はかなり頑張っている。実際に見せていただきましたが、ディスプレイはかなりキレイでした。あとは、市場的に日本で受け入れられるかどうか、注目したいですね」と話した。
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Oculus Quest 2と前Oculus Questの比較。表の価格は税込み
また簗瀬氏は、「このところVRは、VR Chatなどでバーチャルなコミュニケーションをするツールとして使われることが増えてきました。FacebookがOculusを買収した真意もそういうところにあるのかもしれません」と、ゲームだけではないVRの利用シーンについて言及する。
一方で、最近では、ゲームもソーシャル要素が強くなっている。セッションでは『あつまれ どうぶつの森』や『フォートナイト』などを例に挙げた。
簗瀬氏は、「ネットワークを通じたコミュニケーションが当たり前になっているなかで、ゲームでコミュニケーションするようになったことは自然な流れでしょう。例えば、『フォートナイト』はコミュニケーションをするために作られたゲームではありませんが、人が集まることで、体験共有の場として貴重なものになってきました。反対に、もともと、人が集まっていたSNSをゲームの場にしていくといった、相互補完が起きていくのではないでしょうか」と、ゲームやSNSとの相関性に言及した。
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ゲームはコミュニケーションとしての側面を強めている
実際、協力型のアクションゲームや、複数人のチーム同士で戦うゲームなど、プレイ中にコミュニケーションを必要とするゲームは少なくない。『あつまれ どうぶつの森』は1人でも楽しいが、友だちが丹精込めて創り上げた島に訪れ、チャットをしながら遊ぶのも楽しいだろう。『フォートナイト』では、アーティスト米津玄師のライブをゲーム上でほかのプレイヤーと一緒に鑑賞するイベントも行われた。バーチャルな空間ではあるが、ゲームには誰かと体験を共有する楽しさがあるのだ。
新型ハードの登場で盛り上がりを見せるゲーム業界。ハードのスペック向上が、クリエイターの活動領域を広げることは間違いない。ソーシャル面や新ハード、そしてVRなど、この先、いままで見たこともないゲーム体験が待っているだろう。
専門セッションの動画
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セッションではまず、2020年に発売予定の新型コンシューマー機「PlayStation 5」と「Xbox Series X/S」について言及。主なスペックを比較しながら、西川氏は「すべてのモデルで、AMDの最新型タイプのCPUとGPUを採用していますね。ただし、SSD周りについて、PS5とXboxではバスの接続が違います。PS5がデータ伝送路が4レーンある一方、Xboxは2レーンながら、外付け用が2レーンある。PS5は外付けのストレージの制約がありますが、その代わりに最大速度性能を追求。Xboxは汎用性を高めたという違いがあるでしょう」と注目ポイントを紹介する。
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サウンド面では、PS5が「Tempest 3Dオーディオシステム」を採用する一方で、Xboxは「Dolby True HD with Atmos」に対応。さらに、Xboxでは「Project Acoustics」と呼ばれる、音の方向だけでなく、ゲーム内に存在する遮蔽物などを考慮した音をユーザーに届けてくれるシステムの搭載を予定している。
これについて「おもしろいのは、マイクロソフトが、Project AcousticsをAndroidやPlayStationでも使っていいと言っていること。そのあたりのシナジー効果が出てくることにも期待したいですね」と、西川氏は話す。
どのモデルも、ゲーミングPC顔負けのハイスペックな仕様であることは間違いないが、どちらを買うかという問いについては、スペックだけを見るのではでなく、「プレイしたいゲームが出るかどうかに限る」と西川氏。「スペックについて話すのは楽しいですが、大事なのは、何が遊べるか、何を遊びたいか。遊びたいゲームが出れば、どちらが先かはわかりませんが、コアゲーマーは、どちらも買うでしょうね。ちなみに、私はPS5のコントローラーと充電器だけはゲットしました。本体が手に入らなければ、年内は充電して楽しみます」と話していた。
新氏は「注目しているのはビジネスモデル。どれも想定を大きく下回る攻撃的な価格であるため、『PS Now』『XBOX GAME PASS』といった定額課金システムへのシフト、サービス面の競争が始まるでしょう」と、価格面から、両社の目指すサブスク型のゲームシーンを予想。Xbox Series Sの国内販売価格を、当初発表価格から3,000円値下げして29,980円(以下、すべて税別)にしたこともあり、サブスク型を考えているからこそ、値段を下げてでもハードを普及させることを優先したのだろうと考えた。
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続いて話題は、次世代ハードの性能からVRへ。先日発表されたスタンドアローン型VRヘッドマウントディスプレイ「Oculus Quest 2」は、前モデルと比較して、全体的にスペックが向上しているにもかかわらず、64GBモデルが33,800円、256GBモデルが44,800円と価格は大幅に下がっている。価格帯的には「PlayStation 5」「Xbox Series X/S」とほぼ同じだ。
新氏は「初代Oculusと比較して、性能面では全体的に1.5倍ほど向上しているのに、この値段はかなり頑張っている。実際に見せていただきましたが、ディスプレイはかなりキレイでした。あとは、市場的に日本で受け入れられるかどうか、注目したいですね」と話した。
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また簗瀬氏は、「このところVRは、VR Chatなどでバーチャルなコミュニケーションをするツールとして使われることが増えてきました。FacebookがOculusを買収した真意もそういうところにあるのかもしれません」と、ゲームだけではないVRの利用シーンについて言及する。
一方で、最近では、ゲームもソーシャル要素が強くなっている。セッションでは『あつまれ どうぶつの森』や『フォートナイト』などを例に挙げた。
簗瀬氏は、「ネットワークを通じたコミュニケーションが当たり前になっているなかで、ゲームでコミュニケーションするようになったことは自然な流れでしょう。例えば、『フォートナイト』はコミュニケーションをするために作られたゲームではありませんが、人が集まることで、体験共有の場として貴重なものになってきました。反対に、もともと、人が集まっていたSNSをゲームの場にしていくといった、相互補完が起きていくのではないでしょうか」と、ゲームやSNSとの相関性に言及した。
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実際、協力型のアクションゲームや、複数人のチーム同士で戦うゲームなど、プレイ中にコミュニケーションを必要とするゲームは少なくない。『あつまれ どうぶつの森』は1人でも楽しいが、友だちが丹精込めて創り上げた島に訪れ、チャットをしながら遊ぶのも楽しいだろう。『フォートナイト』では、アーティスト米津玄師のライブをゲーム上でほかのプレイヤーと一緒に鑑賞するイベントも行われた。バーチャルな空間ではあるが、ゲームには誰かと体験を共有する楽しさがあるのだ。
新型ハードの登場で盛り上がりを見せるゲーム業界。ハードのスペック向上が、クリエイターの活動領域を広げることは間違いない。ソーシャル面や新ハード、そしてVRなど、この先、いままで見たこともないゲーム体験が待っているだろう。
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