31日、都内の党本部で辞任会見に臨む民主党の前原代表。(撮影:常井健一)

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民主党の前原誠司代表は31日夕、東京都千代田区の党本部で記者会見し「自ら代表を辞し、一議員となってもう一度、一から出直し、頑張っていきたい」と、代表辞任の意向を改めて表明した。
 
 前原氏は半年間の実績として、対案・提案路線の定着を挙げ、今後の継続を求めた。後任については「(偽送金メール問題の)責任をとって辞める人間が言うことではない」と明言を避けた。

 前原氏が代表辞任を考え始めたのは、偽送金メールについて「確証がある」と断言した上で臨んだ党首討論の2日前にあたる2月20日。野田佳彦・国会対策委員長(当時)から、メールの信憑性について「本物でない可能性が高い」と聞かされ、責任を感じたとしている。その後、同28日の永田寿康議員(民主党の党員資格停止中)の謝罪会見を経て、前原氏は事態の収拾にあたるため、辞任の考えをいったん撤回した。

 前原氏の後に会見した鳩山由紀夫幹事長によると、前原氏は29日午前、メール問題の調査報告書について面談に訪れた同幹事長に対して「報告書の提出を機に辞めようと思う」と辞意をもらし、31日の退陣表明に至ったという。

 永田氏の議員辞職について、前原氏は30日に永田氏と電話で30分ほど話しただけ。一方、鳩山氏は31日午前10時から2時間、永田氏と面談し、議員辞職の意向を受けた。鳩山氏からは、同氏の地元担当秘書として選挙区で勉強することなどを勧めたという。その後、永田氏は民主党に辞職願を提出した。

 鳩山氏は、後任選びについて「派閥やグループの次元での抗争を繰り返してしまうということだけは何としても避けなければならない」と強調。出馬がささやかれる小沢一郎氏については「国民のみなさんに民主党が変わった姿を見せるための候補者のひとりではないか」と評した。【了】