いつまでも魅力が色あせず長く乗り続けられるクルマがオススメ

 40代も半ばを過ぎると、人生の「終」を考えるようになる。

 人生100年時代などと言われるが、感覚的に、好きなクルマの運転を存分に楽しめる年齢の上限は変わっていない。早めの免許返納が潔しとされるなど、運転寿命はむしろ短くなる傾向だ。

 運転支援システムや自動運転の技術が進歩すれば、衰えた運転能力を補ってくれるだろう。しかし、昭和育ちのクルマ好き中高年にとって、それはあまり面白くない未来と言える。短いサイクルで乗り換えるタイプの人はまだそうでもないが、1台のクルマに10年以上乗り続けるタイプの中高年が次に買うクルマは「終のクルマ」になるかも知れない。そうなるとクルマ選びの基準も変わってくる。

 そこで今回は「終のクルマ」に相応しいような、いつまでも魅力が色褪せずに長く乗り続けられるクルマを、2020年2月現在で買える現行モデルの中から5台を選んでみた。

1)スズキ・ジムニー

 軽自動車ながら、ラダーフレームを持つ超本格派のクロカン四駆。日本人にしか作れない、日本が世界に誇れるSUVであり、何十年経っても性能や魅力は色褪せず。現行型は2018年に登場したばかりだし、おそらくまた20年ぐらいはフルモデルチェンジしないだろうから、オーナーが死ぬか免許を返納するまで現行型であり続けるかも知れない。

 さらに、車格のヒエラルキーとは無関係なので、あまり蓄えのない老後を迎えたとしても、軽自動車に乗り続ける侘しさを抱かせないところも魅力だ。その意味ではタイプは異なるが、ホンダS660も軽自動車の「終のクルマ」として強く推せる。

2)マツダ・ロードスター

 クルマ好きの性として、歳をとってもスポーツカーに乗り続けたいと願う人は多いだろう。ハイパワー&ハイグリップの高性能車でグイグイ走る老後も格好良いが、心身が枯れゆくなか、現実的にはほどほどの性能で十分。ライトウェイトFRスポーツならではの運動性能と、クルマを自在に操る喜びは適度な回春効果をもたらしてくれる。

 現行のND型はおそらくロングライフだし、初代NA型のような名車として評される可能性が高いので、仮にモデルチェンジしたとしてもあまり気にならないだろう。

 老後もサーキット通いがしたいという人にはトヨタ86/スバルBRZ、高性能を所有する喜びが欲しい人にはトヨタ・スープラを推したい。

「終のカーライフ」に何を求めるかがポイントだ

3)三菱デリカD:5

 歳をとるとセダンやクーペに回帰する人は多いが、老後もアクティブな趣味を続けたい人や、多人数を乗せる必要がある状況が続く人も少なくないだろう。そこで「終のミニバン」として強く推せるのがデリカだ。

 ミニバンながらクロカン四駆並みの悪路走破性能を備え、ディーゼルも選べるなど唯一無二の個性が満載。将来的に生産が終了した後もなお、流行り廃りに左右されない独自性が発揮できる。操縦性も味わい深く、基本設計の古さを補ってあまりある魅力がある。3列目シートまでしっかりした作りであるなど、同クラスの新鋭ミニバンにはない美点も少なくない。

4)アルピーヌA110/アルファロメオ4C

 昔から、「一生に一度はポルシェを所有したい」と願うスポーツカー好きは多い。経済的に可能なら最新にして最良の911を買ってクルマ道楽のアガリとすれば最高だが、今の911は最廉価でも1360万円。ケイマン/ボクスターでも性能的には不満はないものの、現行型は4気筒なのが情緒的に寂しいところ。

 そこでブランド力、走行性能、刺激性、クルマ好き満足度などの面でアガリのスポーツカーに相応しいのがアルピーヌ110とアルファ4Cだ。圧倒的なオーラを発散させつつも嫌味はなく、ただひたすらファン・トゥ・ドライブを追求する格好良いジジイが演出できる。日常の足グルマは別に用意したい。

5)メルセデスベンツE300

 やはり最後はセダンに戻りたい、と考える人は悩ましい。成熟したオトナ向けのセダンは選択肢が多く、いわゆるドイツ御三家やボルボを筆頭に、キャデラックやレクサスも終のクルマとして選ぶ価値のあるクルマが並ぶ。運転好きならBMWを選んで間違いはないとも思えるが、中高年になると深く染みるようになるのがメルセデスだ。

 とくに「素のEクラス」にあたるE300は、刺激は乏しくとも、内外装の雰囲気やステアリングフィール、トルク特性などにオヤジ心をくすぐる味わいがあり、何ともしっくりくる感じが心身に馴染む。高級にして完璧な道具を使い尽くす喜びに浸る「終のカーライフ」を想像するのは意外と楽しい。