どんなスマホも2画面にするケース、「castAway case」のギミックを試してみた:CES2020
LGの「G8X ThinQ」はフリップカバーが2枚目のディスプレイになっており、装着すると2画面を使えるスマートフォンに早変わりします。このカバーはもちろんG8X ThinQ専用です。

ところが他のスマートフォンでも2つ目の画面を追加できるという「castAway case」がクラウドファンディングで資金調達に成功。その製品化前のエンジニアリングサンプルをCES 2020の関連イベントで触ってみました。

castAway™ case - The anywhere tablet that pairs to your phone! What's on Your Second Screen?

まずはこれがcastAway caseの本体側。スマートフォンのように見えますがOSはChromiumで、これ単体ではWi-Fi通信が可能。ディスプレイサイズは5.8、6.3、6.9インチの3種類があり、解像度はWQXGAです。チップセットはChrome Bookにも使われるロックチップ製のOP1。ハイエンドスマートフォンのような操作を行うことはありませんし、形はスマートフォンですが中身はChromeタブレットのようなものなのでこれで十分なのでしょう。カメラは500万画素+フロント200万画素です。

ディスプレイサイズが3種類あるのは、ペア側のスマートフォンとして様々な製品を想定しているからです。現在は下記のスマートフォンをペア側に装着可能。ここにない機種があればリクエストも受け付けています。



こちらがペアとなるスマートフォン側。castAway case本体と同じ大きさのケースに、スマートフォンを装着するようになっています。 



そしてこの左右のユニットを接続すると、2画面スマートフォンになるというわけ。両者の接続はマグネット。ヒンジ部分は独特のカット面となっており、小型のマグネットが多数埋め込まれています。なお磁力はそこそこ強力で、両者を密着させると片手で持っても片側が外れることはありません。



密着させると2画面スマートフォンになっていることがわかります。180度開いた時は密着のヒンジとなる部分の中央のマグネットが使われているわけです。



下部側から見ると密着の様子がわかります。なお左右どちら側も厚みがありますが、これはエンジニアリングサンプルのため製品版ではもう少しサイズは薄くなるとのこと。



持ったまま曲げてみると、マグネットで密着しながらヒンジのように内側に折れ曲がってくれます。100度くらいの位置で今度は密着部分の上下のマグネットで左右が接続されます。



そして閉じた状態でも完全に密着。マグネットがそれだけ強力なのですが、カバンの中に入れたときなど他の金属製品がくっつかないように注したほうがいいかもしれません。しかしマグネットを使うことで、左右の分離もちょっと力を入れて離すだけと簡単に行えます。



クラウドファンディング(Indiegogo)のcastAway caseのWEBページを見ると、本体側のほうはより薄くなるようです。現時点ではボディーも試作品なのでほぼ同じ厚みになっているのでしょう。



マグネット側は構造もわかるように、3か所に分かれた部分の真ん中だけが黒塗り処理ですが、製品になるときはオールブラックになる模様。



さて2画面端末としての動作はこの合体できるユニットではなく、別のテスト製品でデモが行われていました。Android OSあるいはiOSの端末側から動画や写真をChromium OS側の本体に専用アプリを使って表示が可能。Wi-Fi接続でストリーミングで画面転送されますが遅延はほぼ感じられませんでした。2つの画面それぞれ別のアプリを使う場合は、Chromium OS、Andorid OSまたはiOSそれぞれ個別に動きます。


さて開いて2画面になる形がいいのか、あるいは2つのスマートフォンを持つのか、どちらがいいかは使い方によるでしょう。しかし2台を1台にまとめて持つことができ、左右に画面を並べたり、スマートフォン側の表示をcastAway case側に転送できるなど2台の間の連携は意外と便利かもしれません。価格も3万円以下なので手ごろです。

あとは製品化されたときにどこまで本体、ケースのサイズが薄くなり、さらにマグネットを使った開閉操作がスムースに動くかどうかが気になるところ。製品の出荷は2020年5月の予定です。