Pepperが並ぶ近未来(??)カフェ「Pepper PARLOR」に行ってきた!

ソフトバンクロボティクスは5日、「東急プラザ渋谷」(東京・渋谷)の5階にPepper(ペッパー)をはじめとしたロボットと人が共に働くカフェ「Pepper PARLOR(ペッパーパーラー)」をオープンした。

2019年12月5日(木)に開業した商業施設「東急プラザ渋谷」ではオープンに先立ち、メディア向けの内覧会を3日に実施した。今回はその内覧会から、Pepper PARLORの店内の様子や取り扱いメニュー、グッズなどについて画像と動画で紹介する。さらに、説明会で語られたPepper PARLORを立ち上げることになったきっかけやコンセプトやなどもまとめて伝えていく。

■Pepper PARLORの概要と注文・決済方法

Pepper PARLORは、広さ420平方メートルの空間に、総席数162、受付カウンターやカフェカウンター、グッズコーナー、イベントステージなどを要するカフェだ。訪れてみると、5階フロアーの多くの部分を占めており、かなり広い店舗という印象を受ける。各席もゆとりがあり、席に着いても狭さを感じることはなかった。

メニューは、「世界を旅するグルメ&スイーツワッフル」をコンセプトにしたワッフルメニューを中心に、サラダなどのサイドメニュー、ソフトドリンクやシェイク、クラフトビール、カクテル、ワインなどを取り揃えている。


東急プラザ渋谷の外観

東急プラザ渋谷は、JR渋谷駅 南改札西口より徒歩約1分の場所にあり、各線渋谷駅からアクセスのよい好立地に位置する。複合ビル「渋谷フクラス」の2〜8階、17階、18階に展開する商業施設が東急プラザ渋谷となる。


グルメ・スイーツワッフルを中心としたメニュー



受付カウンターで料理やドリンクを注文する



案内役のPepper。訪れた客はタブレットを操作して注文する



各カテゴリー毎にメニューがまとめられている



クレジットカードでの支払いとなる



クレジットカード決済の方法も表示される



タブレットの右横に備えられているクレジット決済用端末



キャッシュでの支払いの場合は別のカウンターで注文することになる

受付カウンターには5台のPepperが並ぶ。Pepper正面のタブレットを操作してワッフルやドリンクなどの注文をする。支払い方法はクレジットカードのみ。タブレットの横に設置されたクレジット決済用端末を使って決済をする。

現金での支払いも当然可能だが、その場合は、Pepperたちが並ぶカウンターの横に位置するキャッシュ専用カウンターで注文から支払いまでをする。Pepperと対面での注文はクレジット決済のみということになる。

一連の流れを試してみたので動画で紹介する。



■Pepper PARLORにいるロボットたち

続いて店内にいるロボットたちを紹介しよう。まずは「相席Pepper」だ。店内に5台のPepperを配備し、席で接客をする。Pepperの胸元に設置されているタブレットを使ってゲームなどを楽しめるほか、話し相手にもなってくれる。


相席Pepper



席についた状態で見た相席Pepper


店内のソファ上部にいる「NAO(ナオ)」は、Pepperよりも小型のヒューマノイド型ロボット。4体の「ソファNAO」は、毎時00分になると同時に踊り出すパフォーマンスを披露してくれる。そのほかにも、特定の時間にしか見ることができないパフォーマンスもあるとのこと。


店内の目立つところに4体のソファNAOが設置されている



特定の時間になるとパフォーマンスをする


AI清掃ロボット「Whiz(ウィズ)」は、営業時間内に見ることはできないが、内覧会では店内で紹介されていた。


AI清掃ロボット「Whiz(ウィズ)」



自動運転技術を活用し店内の床を清掃してくれる


店内には1杯のコーヒーにこだわった「The Premium Coffee」カウンターもある。そこに設置されているコーヒーマシン「Poursteady(ポアステディ)」は、NASAのロボットエンジニアとロボット技術者が共同開発したというバリスタロボット。選りすぐりの高品質なコーヒーを豆を使い、コーヒークリエイター 中川亮太氏の技をプログラミング化し完全再現する。


「The Premium Coffee」は、受付Pepperとは別注文・別会計



バリスタロボット「Poursteady(ポアステディ)」



お湯を注入する部分が自動で動き出す。見ているだけでも楽しめる



しっかりと時間をかけて1杯のコーヒーを淹れていく

試飲したところ、雑味がなくすっきりとした味わいだった。普段なら砂糖やミルクをたっぷり入れる筆者だが、一切入れずに素の状態でも飲み切ることができたので、これは凄い!と驚いたのが正直な感想だ。

■オリジナルグッズとワッフルメニュー

受付Pepperの向かいのスペースには、Pepperをテーマにしたオリジナルグッズを販売している。


オリジナルグッズが並ぶスペース



「旅するPepper」イラストTシャツ



ミニトートバッグやアクリルキーホルダー、メモ、ハンカチなどが並ぶ



「The Premium Coffee」で提供されているPremium Blend コーヒー豆

商品ラインアップは以下の通り。
・Pepper PARLOR「旅するPepper」イラストTシャツ(価格:各3,500円/サイズ:S、M、L)
・Pepper PARLOR「旅するPepper」イラストマグ(価格:3,600円)
・Pepper PARLOR メモ(価格:600円)
・Pepper PARLOR ハンカチ(価格:1,300円)
・Pepper PARLOR ミニトートバッグ(価格:2,800円)
・Pepper PARLOR アクリルキーホルダー(価格:2,600円)
・Pepper PARLOR 薩摩紅茶「桜島ノッケティー」(価格:540円)
・Pepper PARLOR Premium Blend コーヒー豆/コーヒー豆(粉)(価格:1,950円)
・Pepper PARLOR タブレットチョコレート(価格:900円)

そしてメニューについてだが、東京・青山にあるレストラン「THE BURN」の総料理長である米澤文雄氏が監修をしている。

ワッフルと聞くとスイーツのイメージが強いが、厳選した食材を使った世界各国の料理と、5種類から選べるワッフル生地を組み合わせた創作料理で「グルメワッフル」と「スイーツワッフル」のメニューを用意している。




グルメワッフル
・イベリコハムと目玉焼きスペイン風パプリカのトマト煮(1,580円)
・バターミルクフライドチキン NYスタイル(1,580円)
・タスマニアサーモン クリームチーズとケッパー(1,780円)
・シュリンプグリーンカレー(1,780円)
・「渋谷チーズスタンド」のブラータとフルーツトマトのカプレーゼ(1,820円)
・クリーミーマッシュルーム ポーチドエッグとトリュフ(1,820円)
・フランス産フォアグラのシルキームース 自家製グラノーラ添え(1,820円)
・和牛のローストビーフとクリスピーオニオン(2,200円)

スイーツワッフル
・自家製ピーナッツバターとバナナのキャラメリゼ(1,480円)
・白玉とラズベリーの粒あんバター(1,480円)
・洋梨 メープルクリームチーズ(1,580円)
・ミルクジェラートとイチゴフォンデュー(1,580円)
・杏仁クリームとフレッシュマンゴー(1,580円)

■Pepper PARLORができるまで

内覧会当日は、店内イベントステージでプロジェクトの説明会が実施された。


左から米澤文雄氏、蓮実一隆氏、柴田陽子氏

・ソフトバンクロボティクス 取締役 蓮実一隆氏(プロジェクト責任者・ロボットプランニング)
・柴田陽子事務所 代表取締役 柴田陽子氏(ブランディングプロデューサー)
・THE BURN 総料理長 米澤文雄氏(メニュー監修)
の3名が登壇し、Pepper PARLORのコンセプトやプロジェクト立ち上げの背景、メニューについて説明した。


蓮実一隆氏


Pepper PARLORで活躍するロボットたち

店内で活躍するロボットたちや店舗の各スペースについて説明した蓮実氏は、あくまでも「主役はお客様」という。「お客様がおいしい料理を食べてゆったり過ごしてくれる場所を作って、何気なく横を向くと『普通にロボットが働いている』というのが私の理想です。理想に近づけたかどうか分かりませんけど、そんな思いがあるんだなぁと思って、お店を見ていただければと思います」と語った。


柴田陽子氏

東急プラザ渋谷の全体のコンセプトも手がけたという柴田氏は、東急プラザ渋谷は「成熟した大人というターゲットを絞り込んだ館」であることを説明。そのコンセプトに賛同してくれるテナント探しをする際、「高齢化社会を迎える日本の成熟した大人の方たちが『これから日本ってこういう風になるのか』『カフェやロボットとの関係ってこんな可能性があるのかしら』とワクワクした気持ちになっていただけるような憩いの場を用意したい」と考えるようになったという。

そんな中、柴田氏がかつて孫正義氏が登壇した会見で「人にとって一番脅威なのは孤独である」「その孤独をロボットが癒せる可能性がある」という孫氏の言葉を思い起こし、およそ2年前にソフトバンクロボティクスの蓮実氏を訪ねたところから、Pepper PARLORのプロジェクトが始まったのだと説明した。


米澤文雄氏


国をテーマにしたワッフルメニュー

米澤氏は、メニューについて「主役はワッフルにしよう、その上に色んな世界感のフレーバーだったりとか、みなさんがイタリアだったらこういうのかなとか、フランスだったらこういうのかなっていうのを、分かりやすい視点でお皿の上に描いていって、色んな国を旅しているような感覚を得られる料理にできたらいいなと」語った。

海外からの来店客が自国の食べ物があれば嬉しいのではないか、逆に日本人の来店客が色んな国をテーマにした料理を食べることでその国に行ってみたくなるのではないか、といったことも考え、メニューを開発したのだという。

料理のコンセプトがまったくない状態で依頼があったため、ワッフルにいきつくまで試行錯誤が続いたそう。


久住有生氏、森田恭通氏、尾藤祐子氏のコメントも映像で紹介された

・左官 代表 久住有生氏(左官職人/ウォールデザイン)
・GLAMOROUS co.,ltd. 代表 森田恭通氏(内装デザイン)
・BITO Green ⧵ Flower Creatives 代表 尾藤祐子氏(店舗グリーンプロデュース)
の3名は、映像でそれぞれのコンセプトなどのコメントを寄せた。

ロボット=サイバーというイメージではなく、自然に溶け込むロボットたちというイメージのもと店内も作られており、緑が多く温かみのある癒しの空間になっている。

最後に説明員と共に、Pepper PARLORの店内を周ってみた様子を動画で紹介する。



【店舗情報】
・店名:Pepper PARLOR(ペッパーパーラー)
・業態:カフェラウンジ
・席数:全162席
・営業時間:午前10時〜午後9時(ラストオーダー 午後8時30分)
・所在地:東京都渋谷区道玄坂1-2-3 東急プラザ渋谷 5階

【年末年始の営業時間】
・12月28日(土) 通常営業
・12月29日(日) 通常営業
・12月30日(月) 通常営業
・12月31日(火) 10:00〜19:00
・元旦(水) 休館
・1月2日(木) 通常営業 セールスタート
・1月3日(金) 通常営業


記事執筆:2106bpm(つとむびーぴーえむ)


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