by Kaushal Moradiya

Torrentファイルのインデックスサイトである「The Pirate Bay(パイレート・ベイ)」は、映画や音楽、ポルノムービーなどの海賊版共有が盛んであり、著作権侵害の温床となっています。そんなパイレート・ベイが、新たなストリーミング配信サービス「BayStream」を開始したと報じられました。

The Pirate Bay is Trialing High-Quality Video Streaming Links - TorrentFreak

https://torrentfreak.com/the-pirate-bay-is-trialing-high-quality-video-streaming-links-191209/

The Pirate Bay seems to be testing a streaming option again - The Verge

https://www.theverge.com/2019/12/10/21009764/pirate-bay-torrent-streaming-baystream-piracy-file-sharing

2004年に独立したウェブサイトとなったパイレート・ベイは長年にわたって問題視されており、警察が捜査のためにデータセンターへ入ったり、創設者が有罪判決を下されたりしながらも生き延びてきました。その一方、近年では安価で合法なストリーミング配信サイトの台頭によって、ファイル共有サイトよりも違法なストリーミング配信サイトの方に業界の注意が集まっているとのこと。

海賊版共有サイト「パイレート・ベイ」はなぜ長年問題視されながらも生き延びているのか? - GIGAZINE



by samer daboul

2019年12月9日、Torrent関連のウェブメディアであるTorrentFreakは、「パイレート・ベイが全く新しい機能を起動しようとしています」と指摘。過去数日間で、プラットフォーム上に新たなアイコンが追加されているとTorrentFreakは述べています。

TorrentFreakが公開した以下の画像を見ると、Disney+上で独占配信されているドラマの「マンダロリアン」をはじめとする違法配信タイトルの項目に、「B」というアイコンが表示されていることがわかります。なお、「B」アイコンが表示されていないタイトルも存在しているようです。



「B」アイコンをクリックすると、ユーザーはBayStreamという新しいプラットフォームに誘導され、YouTubeのような形式で選択したコンテンツをブラウザ上で直接ストリーミング視聴することができる模様。



TorrentFreakによると新しい機能は開発段階にあるようで、プロキシサイトなどを介してパイレート・ベイにアクセスしている場合、「B」アイコンをクリックしても上手く視聴できないケースがあるそうです。その一方で、上手く動作した際はTorrentファイルをダウンロードせずにコンテンツの視聴が可能となり、「システムは効果的であるように見えます」とTorrentFreakは評価しています。

パイレート・ベイ上にあるリンクを介さずにBayStreamへアクセスした場合、シンプルなファイルアップロードインターフェースが表示されます。ユーザーは最大で20GBのファイルをBayStream上にアップロードして保存できるそうですが、コンテンツをアップロードしたユーザーに何かしらの恩恵が与えられるのかどうかは記事作成時点で不明です。



BayStreamへはパイレート・ベイ上のリンクからアクセスすることができますが、BayStreamがパイレート・ベイによって直接運営されているのか、第三者が運営しているのかは判明していません。なお、パイレート・ベイは2016年にもTorrents-Timeというブラウザープラグインを介して、海賊版のストリーミング配信をテストしていました。

テクノロジー系メディアのThe Vergeは、「ストリーミングサービスが増加するにつれて、特定のコンテンツへのアクセスがより難しく、より高価になります。これにより、著作権侵害や違法な代替手段の増加が懸念されています」と指摘し、特定のストリーミングサービスでしか視聴できないコンテンツは海賊版の被害に遭いやすいと主張。実際にパイレート・ベイで配信されていた「マンダロリアン」も、Disney+で独占配信されているという性質上、2019年で最も多く海賊版が視聴されるコンテンツになると予測されています。