ファストファッションとの競合などで売り上げ減少。再生計画の策定が進まず、10月に再生手続き廃止決定を受けていた

 6月25日に名古屋地裁に民事再生法の適用を申請していた(株)丸澤屋(TDB企業コード:400133213、資本金4500万円、愛知県名古屋市中区正木4-9-1、登記面:愛知県名古屋市中川区山王4-6-2、代表澤木孝夫氏)は、11月21日に同地裁より破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人は古澤仁之弁護士(名古屋市中村区名駅3-16-22、弁護士法人小山・古澤早瀬名駅本部オフィス、電話052-485-7188)。財産状況報告集会期日は2020年2月28日午後2時。

 当社は、1919年(大正8年)創業、1954年(昭和29年)1月に法人化した婦人服、雑貨の老舗小売業者。20歳代半ばから30歳代前半をメインターゲットにした自社ブランド「M.deux」(エムドゥ)を自社で企画し主に海外で生産を行い、東海4県を主体としたショッピングセンターに「M.deux」の店舗名で出店、相応の知名度を有していた。しかし、バブル期の不動産投資などの失敗で、1998年3月に名古屋地裁に和議を申請した。

 その後も事業を継続し、積極的な出店を続け、ピーク時の2008年8月期には年売上高約23億5300万円を計上、20店舗以上を運営していた。しかし、近年は長引く消費不振の影響やファストファッションなどとの競合もあって売上の伸び悩み傾向が続き、2018年8月期の年売上高は約16億3400万円に落ち込み、赤字経営を余儀なくされていた。減収により店舗出店の際の借入負担が重荷となり資金繰りが悪化、自力での再建を断念し、今年6月には民事再生法の適用を申請していた。

 しかし、スポンサーの選定が進まず、再生計画の策定が進まなかったことから、10月24日に民事再生手続き廃止決定を受けていたところ、今回の措置となった。

 負債は約8億8000万円だが、膨らむ可能性がある。