地元・名古屋では老舗書店として相応の知名度を誇るも、出版不況の影響などで売上は伸び悩んでいた

 大和書店(株)(TDB企業コード:400788994、資本金1000万円、愛知県岩倉市中本町西出口64-9、代表稲山佳史氏、従業員65名)は、11月29日に名古屋地裁より破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人は山田尚武弁護士(愛知県名古屋市中村区名駅1-1-1 、弁護士法人しょうぶ法律事務所、電話052-561-5599)。

 当社は1962年(昭和37年)創業、1994年(平成6年)10月法人改組した書店経営業者。当初はパンの小売りを行っていたが、1964年頃から書店経営に進出。「ザ・リブレット」などの店舗名で、大型ショッピングセンターや商業施設にテナント出店。名古屋市内を中心に愛知県、岐阜県、静岡県、神奈川県、大阪府、岡山県に20店舗以上を展開していた。書籍のほか文具や日用雑貨も取り扱い、老舗書店として地元では相応の知名度を有し、近時ピークの2017年8月期には年売上高約32億8200万円を計上していた。

11月29日中は店舗を営業する

 しかし、積極的な出店を行っていたが、出版不況の影響などで売上は伸び悩み、2018年8月期の年売上高は約30億1400万円にとどまっていた。また、文具・日用雑貨の不振もあって不良在庫が重荷となっていたうえ、出店時の借入金も負担となり、資金繰りは悪化していた。

 今期に入ってからも業績に回復は見られず、金融機関の支援も限界に達し、先行きの見通し難から今回の措置となった。

 申請時の負債は約30億円だが流動的。

 なお、11月29日中は店舗は営業している。