ITライター・山口真弘の気になるグッズラボ 
 〜ナカバヤシ「QB-FA4E」レビュー

2019年10月15日
TEXT:山口真弘(ITライター)

クリップボードと言えば、一般的にはA4サイズであることが普通です。これは挟む資料がA4であることが多いという、ビジネス上の理由によるものです。A4を挟むからA4サイズであるという、ごく当たり前の理由です。

その常識に真っ向から挑戦したのが、今回紹介するナカバヤシの「折りたたみクリップボード」です。これは広げるとA4、たたむとA5になるという、折りたたみ式のクリップボードです。

仕組みとしては実にシンプルで、クリップボードの中央から、2つに折れる構造になっています。挟んだ紙はカールしつながら折りたためますので、折り目がつくことはありません。ありそうでなかった製品だと言えるでしょう。


広げた状態では一般的なA4サイズのクリップボードです。本体の素材は発泡PP
一般的なクリップボード(右)との比較。ひとまわり大きい以外はごく普通です


背表紙に相当する部分があり、中央部分で二つ折りにすることができます


折りたたむことでA5サイズになるので、日頃の持ち運びも容易です

さて気になるのは、この2つ折り機構が、クリップボード上で筆記する際に妨げにならないかということです。書いている途中に中央部から2つに折れ曲がってしまい、筆跡が乱れてしまうようでは、クリップボードとして失格だからです。

しかしながら、実際に使ってみると、このことはそれほど気になりません。なぜなら折れ曲がる向きは外側ではなく内側なので、上に載せた書類に記入しているぶんには、ピンと張った状態が維持されるからです。ただし中央の折り目部分が背面に大きくせり出しているため、テーブルに乗せて使うのは不向きです。

また、半分に折りたたんだ状態では、中央部分に隙間ができますので、ここにペンを挿して持ち歩くこともできます。クリップボードと書類は手元にあるのに、記入するためのペンを持参し忘れた……というミスも回避できます。


背の部分には接合部を覆うためのカバーがあり、指をはさむ心配もありません


折りたたんだ時にできる空間を使って、ペンを挟んでおくこともできます


本体上部のクリップは一般的なクリップボードに備わっているそれと同様


本体下部に用紙のめくれや脱落を防ぐ保護ストッパーがついているのもポイント

また本製品は単純にクリップボードとして使う以外に、書類を持ち歩くファイルとしても重宝します。A4サイズの書類を折り目をつけることなくコンパクトに収納できますので、重要な書類の運搬のほか、例えば旅行先に持参してチケットやパンフ類を挟んで持ち帰る用途にも使えそうです。

ボディは発泡PP製で、高級感こそありませんが、使い勝手や価格を考えると十分でしょう。最近は、以前紹介したキングジムの「マグフラップ」のように、機能性を重視したクリップボードが続々と登場しつつありますので、そのひとつとして、クリップボードを買う際に候補に入れておくべき製品と言えそうです。


二つ折りの状態でキープしておけるゴムバンドもついていますので、バッグの中で開いてしまうこともありません。なおカラーはオレンジ以外にブルー、ブラックもあります

製品名:折りたたみクリップボード/オレンジ(QB-FA4E-OR)
実売価格:920円
発売元:ナカバヤシ

[筆者プロフィール]
山口 真弘(やまぐち まさひろ)
ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など。Twitter:@kizuki_jpn