学生の窓口編集部

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日常に潜むもやもやを学術的に解決する「もやもや解決ゼミ」。
通学のとき「エレベーターで行くのとエスカレーターで行くの、どっちが早く教室に着くかな?」と悩むことはないでしょうか。遅刻しそうなときは、少しでも早いほうを使いたいですよね。

急いでいるときはエレベーターとエスカレーター、どっちが早いのか……そんな究極のギモン(?)を「建築設備の中の昇降機」の専門家・青木教授に伺いました!

エレベーターVSエスカレーター 、早く着くのはどっち?

ポケGOで中高年が健康に?! そこから見えてくる「都市デザインと健康」 #発掘おもし論文

このご質問は基本的に駅舎のエレベーター、エスカレーターの違いを意味していると思いますが、大前提として、

エレベーターは車椅子利用者、ベビーカー、大きなスーツケースを持った方、松葉づえの方、視覚障害のある方、高齢者などの優先利用


を想定しています。なので健常者はできる限りエスカレーターを利用してほしい、という前提でお答えすると、まずエレベーターとエスカレーターには速度の違いがあります。


・エレベーターは標準的に分速60メートル/分
(分速60メートル/分未満のものもあります)
・エスカレーターは標準的に分速30メートル/分
(分速30メートル/分未満のものもあります)


と、エレベーターのほうが2倍ほど速いんです。

しかし、エレベーターには乗り物かごが乗り場階に到着するまでの待ち時間が必ずあります。
待ち時間は「乗降時間 + 昇降時間 + 戸開閉時間」なので、それなりに待つこともあり、3カ所以上に停止する場合はさらに待ち時間が長くなります。

つまり、すぐに乗れるエスカレーターと待ち時間があるエレベーターでのトータルの時間を比べると、どちらが有利とはいえない場合が多いです。

・エレベーターを待っている人が多く、なかなか来ない場合
・エスカレーター前に人が滞留しなかなか乗り込めない場合
・エレベーターが空いていてすぐに乗り込める場合
・エスカレーターが近くにありすぐに乗り込める場合
・エレベーターが3カ所以上停止の場合
・エスカレーターに乗り込みさらに歩いて上る場合
・首都圏の駅舎と地方の空いている駅舎での違い


などケースバイケースです。

ただ、「若者(健常者)」が「通学時間帯(混雑時間帯)」に使うというのであれば、基本的にエスカレーターを利用することが正しいと思いますし、エスカレーターのほうが時間的にも有利なことが多いように思います。

というわけで、元気な大学生なら「エレベーターは本当に必要な人に譲ってあげましょう」というのが大前提。その上で、あくまでもケースバイケースですが、エスカレーターを利用するほうが早いのでは?とのことでした。

(高橋モータース@dcp)

教えてくれた先生

青木義男教授
日本大学理工学部 学部(船橋校舎)次長。教授。工学博士。

1985年、日本大学大学院生産工学研究科機械工学専攻博士課程修了。2005年、同大学理工学部教授。1998年から1年間、米国コロラド大学工学部航空宇宙工学科客員研究員を務める。現在、国土交通省昇降機等事故調査部会委員、建築物事故災害対策部会委員、日本建築設備・昇降機センター理事を兼務する。専門分野は安全設計工学、構造力学、複合材料力学。宇宙エレベーター協会フェローを務める。